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第133話 偽リ 
お待たせしました。
出来上がっているので更新しておきます。

134話、只今大苦戦中です・・・
なかなか描写が思いつかない・・・w
出来上がり次第、更新したいと思いますのでしばしお待ちを!!

まだまだ先は長そうだなぁ(´・ω・`)
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炎の消火活動を行っている消防士。突然の事態にその場に固まって動けない人々。避難する人々。
先ほどまで平和だった町は一瞬で炎が燃え広がり、至るところに魔獣が現れアパルリッターたちも退治に人々の避難誘導に追われていた。

鏡汐の鏡によって、ある人物の危険を察知した妖狐は外の様子を見ようと中庭にいこうとした時、横になっていたシェスリナがそこへ走ってきた。

「待って!!」

引き留められた妖狐は振り返る。そして少し心配して

「・・・お主はまだ横になっておれ。外のことは妾に任せよ」
「いやよ!何か大変なことが起こってるんでしょう!?私も一緒に行くわ!」
「お主には身体を休ませてほしいんじゃがな・・・。そんなに言うのならばついて参れ」

そういうと、前を向いて歩きだす。その後にシェスリナもついていく

****

「さあ、こっちです。急いで!」

彩箕路ココが人々を安全な場所へと避難するよう呼びかけている。

必死に、人々に呼びかけている茲。
その間も、この急な状況に困惑している。

(どうしてこんなことに・・・。この町に一体何が起こっているの・・・?それに、リリボンとプラシナさんも見つからないし・・・無事だといいんだけど)

そう考えながら、逃げ遅れた人に「こっちだ」と呼びかけながら案内している最中。
炎に阻まれて今にも崩れそうな道に人影を見つける。

「そこは危ないですよ!はやくこっちへ!!」

ココは叫んでこっちに来るように促すが、その人影は何も言わずに炎の中へと消えていった。

「ちょ・・・待って!!そっちは危ないってば!」


必死に叫びながら、ココはその人影を追いかける。
その人影はどんどん先へ行ってしまう。
目を離さないように追いかけ続ける


そして次第に、広いところに出た。

それは、自分が通っている北聖生学園だった。

「・・・・学校?どうしてここに」

理解が追いつかない状況に困惑していたが、グラウンドのほうへ目を向けると一人の女性が倒れているのを見つける。
慌ててその場に駆け寄る。

「大丈夫ですか?」

声をかけるとその人物は、ゆっくりと目を開け顔をあげる。
その顔に、ココはひどく驚いた

「―――プラシナさん・・・・!?」

「・・・・あみじ・・・さん・・・」

ゆっくりと身を起こす。怪我をしているのか腕を押さえている。
ココは信じられないという表情をするも、ずっと行方不明だったプラシナが無事だったと知り安堵していた

(無事でよかった。ほんとに・・・)

「と、とにかくここから離れよう。立てる?」

手を貸そうとするが、腕を押さえながらゆっくりと立ち上がる。
そしてココは来た道を戻ろうと、先頭に立ち歩き始める。


「・・・・そういえば、リリボンは―――」



グサッ。
そんな音が響いた。

「―――・・・・え?」


刀らしき刃物が自分の腹から突き出ている。刃物には血がつき、赤い雫が地面へと滴り落ちていく。
ココは、恐る恐る後ろを振り返った。

そこにはプラシナが・・・・
プラシナらしき人物がいた。


「・・・・ぷら、し・・・な・・・さ、ん・・・・」


ココは理解できなかった。魔獣が再び現れたかと思えば火の手があちこちに広がり、そして人影を追って辿り着いた場所が自信がj通っている学園で、そこには行方不明なはずのプラシナの姿があって。

もう何が何だか分からなかった。


つづく......


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第132話 神都四町 
ごっちゃになってた!
今現在進行している物語の時代は2020年やったわ・・・w
2年前の2018年編書いたからそれとごちゃごちゃになってましたスミマセンorz
(おい、作者しっかりしろよ!?)


と、とにかくまだ時代追いついてないってことが分かってホッとした作者です(

そして、今日でこの物語始まって7年になりました
物語を描き始めた当時は、町の名前なんて考えてなかったし四神相応なんてものもありませんでした。
高校生だった当時。社会の授業で四神相応を知り、そこからこの物語に練りこんだのも今や懐かしく思います。

(しかし、なんで社会で四神相応出てきたのかは全然おぼえてない)


その時、一緒に舞台となる街の名前を考えました。思いっきり当て字ですがちゃんと意味はあったのです。

“神都四町(みつしちょう)”
                       ―――四つの神様がいる都。

東に青龍
西に白虎
南に朱雀
北に玄武

そして中央に黄竜(又は麒麟)



四神相応が機能していたからこそこの名前には意味がある。
でも、今は・・・






本部では、衣絽羽と学園長がなにやら話し込んでいた。

「このクリスタルをテレリさんに手渡したの、あなただったんですね」

そういいながら、黒白の結晶石を妖狐に見せる。

「・・・樹里が死ぬ数日前に、預かり受けたモノじゃ。とても役に立ったであろう?」

妖狐は微笑みながら学園長の顔を見る。
学園長は、目を閉じながら

「本当は、分かっていました。樹里さんが、嘘をついていたことも」
「・・・・樹里の身体はどのみち、長くは持たんかった。己の器に収まるほどの魔力ではなかったのじゃから」
「・・・・・・・・・」
「人はなぜ、魔力をわざわざ結晶化したのじゃろうな?消費を抑えるため?世に役立たせるため?」

衣絽羽の質問に、学園長は手に握っている黒白色の結晶石をより一層強く握りしめる。

「妾たち妖から見て、その行為はとても滑稽なものよ。自ら死にに行こうとしているのじゃから」
「・・・確かに、あなたのおっしゃるとおりです。ジェムという存在は、本来とても危険なものですから」
「都合の悪いことはどんな手を使ってでも隠そうとする。いつの時代も人間は変わらぬものじゃな。呆れて口も塞がらぬわ」

哀れなものを見つめながら学園長に言い放つ衣絽羽。
学園長は俯いたまま、何も言い返すことなどできなかった

「・・・話が逸れたな。で、妾に聞きたいこととは?」

学園長は、その言葉にすこし拍子抜けしたがすぐに冷静になる

「あなたは蝶姫、燐姫とどのような関係なのでしょう?“倒す”とおっしゃってましたが」
「・・・・なに、昔からの知り合いなだけじゃ。人間だけじゃ飽き足らず、世界もろとも消し去ろうとしておるからな。それを止めたいだけじゃ」


衣絽羽がそうつぶやいた時、遠くで地響きが聴こえてきた。それはここにも届き、地面がわずかに揺れ動く。

「学園長!!」

秘書の神楽が部屋に慌てて入ってくる。
それに学園長は何が起こったのか説明を求めている

「魔獣です。魔獣が現れました」
「なんですって・・・!?」




****

そのころ、建物の屋根の上に黒い巫女服を着た女性が立っていた。
その瞳は不気味なほどに赤く輝いている。

「・・・・サフィラ、お願いね」

そういうと、サフィラの背後から亀裂が広がりそこから物凄い数の魔獣が現れる。
そして魔獣は人々が暮らす町中へと降臨し、暴れ始める
町を歩いている人々はいきなりのビルの崩壊や、コンクリートにヒビが入る謎の現象におびえ悲鳴をあげる

そして、それに追い打ちをかけるように真っ赤な瞳を光らせ手の平から炎を創り出し、逃げ惑う人々の中へと放り込む。
それはみるみるうちに燃え広がり、一瞬のうちに町は地獄絵図と化した

「最初からこうすればよかった・・・。人間を根絶やしに、そしてお姉様への供物も手に入れる方法」

黒い巫女は、血のように赤い瞳を輝かせながら、阿鼻叫喚の地獄となった町を見下ろしている。
嗤っている。とても、怪しげな笑みを浮かべて。

「もう、四神相応なんてなくなったのに・・・。“四つの神様がいる都”だなんて・・・・よく言ったものだわ」


***

「全アパルリッターに出動命令を出して!できるだけ町の人々を避難させることを第一に!」


学園長が出した号令は瞬く間にすべてのアパルリッターへ届き、魔獣を倒すものと人々を安全な場所へ避難させるものと分かれた。
陽刻楼へ避難するよう呼びかけるアパルリッターたち。
そうしている間にも炎は勢いを増し、消防団では消火できないくらいまでに町中へ広がっていく。


そんな風景を見ながら、燐姫は楽しそうに嗤っていた。

「なんて綺麗なのかしら。燃えていく町並みがこんなにも美しいだなんて・・・。お姉様にも見せてあげたかったけれど、仕方ないわ。
今はぐっすり眠っていてほしいし」

そう言いながら、また一つ炎を投下する。
それを見ながら、怪しい笑みを浮かべていた

「ほんとに綺麗・・・。まるで燃え盛る彼岸花のよう」

彼女の周りに、紅い蝶が無数に舞う。
その中に、三つ目三つ足のカラスがいた。
それは燐姫に何かを伝えるように『カァカァ』と鳴く。

「・・・・どうしたの、愧烏(きう)。今、いいところなのに」

そう言ったところで言葉が途切れた。
愧烏を見たその先に、見知った人物がいたからだ。
その人物をみた瞬間、燐姫は「・・・・へぇ・・・・」ともっと不気味に嗤った

胸に手を当てて語り掛けるように呟く。

「・・・・ふふ、大丈夫。あなたが憎い奴がそこにいるんだもの。ちゃんと応えてあげるわ・・・・」



「――――プラシナ」

つづく....

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第131話 予言 
迷ってた樹里と衣絽羽の関わり回想シーン。
あんまり詳しく描けなかったけど、更新したいと思います。
特に、シェスリナの精神世界にいた“影”さんのことが詳しく描けなくて申し訳ないのですが・・・w
詳しく描こうとするとそれは

『樹里が“影”に会ってからこれまでの様子』を描かないといけない = まーたお話進まなくなってしまう

ので、やめましたorz

もうね?とりあえず本編終わらせたいんですわ;
終わったら、番外編として衣絽羽視点やら樹里視点やら書きたいなと個人的には思ってますができなくなる可能性もあるのでそこはご了承願う。






美樹樹里。
彼女は、預言者だった。この世に預言者は数多くいる。その中でも彼女の名は世に知れ渡っている程有名で。
彼女が口にする未来の出来事は必ず当たると言われていた。

そんな彼女は、黒い女性に化け人間界に馴染んでいた衣絽羽の正体を一目で見破った。
観念した妖狐は、彼女に言われるままお茶に誘われ。
今はお互い薄暗い夜中の中庭にある白いテーブルに向かい合って座っている。

「・・・・妾と話がしたいなどと・・・、妾の正体を知っていながら物好きなことじゃな」
「あなたは決して悪い方ではない。それに、お礼を言いたかったので」
「お礼?お主に礼を言われるようなことは――」

「娘の大事なモノ、拾ってくださったでしょう?」

その言葉に衣絽羽は少し目を丸くする。
あの時、あの場には衣絽羽と小さい子供しかいなかったはずだ。
そう衣絽羽は思った

「・・・・あの子供は、お主の娘じゃったか」
「ええ、そうです。あれはとても大切なモノ、この世界を救うために失くしてはならなかったものなので。ありがとうございます」
「その口ぶり、まるでこれから先良くないことが起こると知っているように聞こえるが」

衣絽羽は片目を閉じながら、問いかけた。
正体を見破り、その場にいなかったことを知っていて、さらにはこれから先に何が起こるか。
全てを見通すこの女性に対して、警戒をしていた。

「申したでしょう?私は『夢見』。夢を通じて、未来を視ることができるのです」

その言葉に衣絽羽はじっと、女性を見据える。
女性が秘めている力を、妖狐は見抜いていた

「・・・・嘘じゃろう。確かにお主は『夢見』の一人。じゃが、お主の力は夢という事象を大幅に超えておるはずじゃ」

樹里は衣絽羽に的確に言い当てられてしまったのか、少し驚いたように見える。

「さすが、九尾の妖狐さんですね。あなたの言う通り、私は今こうしている間も未来が時折見えてしまいます。見たくないものまで視えてしまうものですから、少し困っているんですけれど」

「人の身でありながらそれほどの魔力なのじゃ。ジェムという宝石だけではその器は持たぬ」

衣絽羽は樹里の首から下げている大きなペンダントを指差しながら言う。
そのペンダントは樹里のジェム。巨大なジェムに秘められたその魔力は、人の身ではとても支えきるのは過酷なことだった
樹里はペンダントをかざしながら

「・・・私の力は年々増すばかりで・・・。それでも私は未来を視ることができる一人の人間です。少しでもこの目で視たことを誰かに伝えることができるなら、私はどんな苦痛にも耐えてみせますわ」

笑顔で語る樹里に、衣絽羽はある人物の面影を重ねていた。

「しかし、私の人生もそう長くはありません。・・・あの子がお嫁に行くまで、長く見守ってあげたいのに」

とても苦しそうな顔をして樹里は俯く。

「・・・お主、未来が分かると言ったな。この先、この世はどうなる」

そう聞かれた樹里は、ゆっくりと目を開ける。
その目は、神秘的な雰囲気を漂わせている。瞳は白く、虚ろな目で言った

「2匹の蝶はこの世に再び舞い降り、世界は混沌に包まれる。光は闇に飲まれ、世界は終わる」

それを聞いた衣絽羽は、「やはりか」と呟き表情が険しくなる

「あなたは、蝶と深い縁がある者。あなたは、失くしたものを取り戻そうとしている」

そう言われた妖狐は、何も言わなかった。
的確に言い当てられたからだ。

「・・・わたしも、近いうちに蝶に殺される運命の身。だから、貴方に頼るしかない。どうか、我が子を、その仲間たちを救ってはくださいませんか」


『殺される』ことを知っているその言葉に、衣絽羽は少し驚いていた。
蝶が人をこれ以上殺めるのを見たくはない。だが、それは衣絽羽の力を以ってしても止めることができない。


「私は何をしても・・・、どの未来を視ても必ず死ぬ運命。全ては蝶の手のひらの上。ですが、あなたは違う。深き縁はまだ切れてはいないのです」

衣絽羽はその言葉を聞いて、少しほっとしたような表情を浮かべた。
そして、樹里に改めて向き直る

「救うと言っても、妾は妖。何もできぬぞ」
「大丈夫です。あの子に、私の中にある“闇”を預けようと思います」





暗い夜。まだまだ小さい娘が寝息を立てて眠っている我が娘の頭を優しく撫でながら。
部屋で樹里は、ある者に話しかけていた。
“それ”は、用件を聞くと答えた

【・・・・そんなことをしたら、お前を守れない】
「お願い、ツェル。この子は、生きなくちゃいけないの。シェスリナのことを助けてあげて」


樹里の側には“悪魔”がいた。
その悪魔は、樹里が死ぬ数日前にシェスリナの中へと移動した。
“影”はずっと樹里の側で娘を、家を見守っていた心優しき悪魔だった。


樹里との約束を果たすために、シェスリナの中に入りずっとシェスリナのことを守ってきた存在なのだ

その“影”は今も、シェスリナの中に根付いている。






『いやだ!逝かないで、ママ・・・。ママぁ・・・・!!』


(ごめんね・・・。まだ・・・生きていたかった・・・。あなたが一人前になるまでずっと・・・見守っていたかったのに・・・

一緒にいられなくて、ごめんなさい。・・・・ツェル、シェスリナをよろしくね・・・・。私の分まで、生きて―――)


樹里は死ぬ寸前まで、我が娘を気にかけていた。


つづく.....

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第130話 樹里 
だいぶ悩んでました。

樹里さんと衣絽羽の回想シーンを詳しく描こうか、それとも番外編で語ろうか。

でも、いまから番外編なんて作ってる暇がないし。もう2018年になってますしね。


みんな、忘れてると思うけどこの物語書き始めた当時、2011年。物語の舞台の現代編は2018年
つまり、今年ってことなんです;w;
これぞまさに 時代が追いついた


もうこれ書き始めてもうすぐ7年経つとか信じられないワラエナイAHAHAHA・・・・

がんばって終わらせるぞぉおおおお・・・・・(白目)






―――夕焼け。
全てがオレンジ色に染まり、日が沈みかけた頃。

一人の少女は大切なものを坂道で落としてしまい、それを必死に追いかける。
それはやがて公園まで転げ落ちていく。

「待って・・・・!」

息を切らしながら公園まで追いかけていた少女。
その大切なものは、一人の女性の足元まで転がった。
それに気づいて、拾い上げる女性の姿。
その女性は夕焼けのせいもあるのか。セーラー服を着ているが全身真っ黒だった。

「・・・・・あ、あの・・・・・」

話しかけられて、少女を見る。

「これ、お嬢ちゃんの大切なものでしょ」

そう言って大切なものを少女の手のひらにそっと乗せる。

「ありがとう、お姉ちゃん!」
「もう日が暮れるから、お嬢ちゃんはお家に帰りなさい」

女性に促されて少女は「あ!」と声をあげる。
そしてそのままもと来た道に戻ろうとするが、女性が気になるのか立ち止まる。

「・・・・お姉ちゃんはお家に帰らないの?」

少女の質問に対し、女性は微笑みながら答える。

「私はまだ帰れないの」
「なんで?」

少女は首を傾げる。

「・・・・やるべきことが残ってるから」
「??じゃあ、お姉ちゃんはここで何をしてるの?」

そう聞かれ、女性の表情から微笑みは消えてゆき日が海の底へ沈んでいく様を見ながら

「見守ってるの」
「・・・・?なにを?」






「・・・・人の世を」




***

シェスリナは目が覚めた。
また夕焼けの夢を見ていたようだ。だが、前に見た時よりもより鮮明になっている。
そしてシェスリナは確信していた。夢の中に、過去実際会ったことがある。あの黒いセーラー服を着た真っ黒な女性は九尾の妖狐だったのだと。

(やっぱりあの人、歳をとってない。どうして・・・・?九尾の狐だったなんて・・・未だに信じられない。でも・・・・)

そう考えていると、扉をノックする音が聞こえてきたので「はい」と一言声をかける。
扉を開けて部屋に入ってきたのは、あの九尾の妖狐だった。

「調子はどうかと思ってきてみたが、大丈夫なようじゃな」
「・・・・・」

しばらくお互いに何も発しなかった。
2分くらい経った時、シェスリナが口を開けた

「あなたは本当に・・・あの時のお姉さんなの?」

その質問に、衣絽羽は目を丸くさせて驚く。だが、すぐにクスッと笑いだす

「やっと思い出したか。如何にも。あの時・・・夕焼けの公園で少しだけ話をしたであろう?」
「・・・未だに信じられないわ」
「無理もないのう。あれ以来、お主とは顔を合わせてはおらんからな」

すこし、寂しそうな顔で呟く。
シェスリナは不思議だった。なぜ、妖怪が自分と母のこと・・・部活のみんなを助けてくれたのかを。
昨日、話には聞いたもののまだ実感が沸かなかった。

「・・・ねぇ、どうして私を、みんなのこと助けてくれたの?あなたは、妖怪なんでしょう?」

シェスリナの問いに、衣絽羽はしばらく何も言葉を発しなかった。
じっとシェスリナを見つめている。

「教えてはくれないのね・・・」

そうがっがりしていると衣絽羽の口元がクスッと笑う

「・・・確かに、お主の言う通り。妾は妖の身。人とは違う。何をしても妾とお主たちは相容れぬ存在同士。
じゃが、時として妖は人の味方にも敵にもなり得る。妾たち妖は、お主たち“人間”によって生み出された空想に過ぎぬからだ。
蝶姫も燐姫もその一部に過ぎない。」

そう話している衣絽羽の瞳には後悔と悲しみがあった。
とても寂しそうな顔をしている。

「妖にも“人間”同様、『心』を持っている。“妖怪”という存在を創り上げたのは“人間”なのだから」

・・・その言葉、あの姫も言っていた。
妖も人間と同じ存在なんだってこと、知ってほしいのかな

目を閉じながら、寂しそうな声で言う。
その姿に私は何か裏があるんじゃないかとおもった。昨日この人は『蝶姫を倒したいから』と言った。
でも本当にそれだけだろうか。まだ他にも目的はある気がする

「樹里に正体を見破られ、妾の目的に役立つ情報をいくつも貰った。到底、縁などそう簡単に消えることもなかろう」
「・・・それが、私たちを助けてくれた理由・・・ですか・・・」
「そういうことじゃな」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・蝶姫を倒す・・・方法とか、ですか」

私は知りたかった。この人は、一体何が目的なのか。どうしてそんな寂しそうな顔をするのか。
だから、鎌をかけてみることにした

「そうじゃ」

言い切ったその声には迫力がなかった。

「嘘ですよね?」
「・・・・」
「だって、本当に倒す方法を知っているなら。あなたはママの頼みや私のことも気にせずに姫を倒せばいいだけじゃない。
どうしてそれをしなかったの?」

衣絽羽さんは俯き、黙ってしまった。
そう、倒す方法をママから聞いたのならそれをすぐに実行すればいい。なのに
どうして今もここにいて、私を・・・わたしたちのことを心配して、真っ先に姫を倒しにいかないの?
私が操られる前に、すべてが解決する話じゃない。どうして姫のところに行ってそれを実行しないの?

「・・・・さすが、樹里の愛娘じゃ。樹里と同じことを聞かれるとは思いもしなかったのぅ・・・」

ママもやっぱり見抜いてたんだ。そりゃそうだもの、ママは偉大な予言者の一人だったんだから
衣絽羽さんは「ははは」と乾いた声で笑う。その笑い声はとても寂しそうだった


「すまぬが、今はまだ言えん。これは、妾の問題じゃ。巻き込むわけにはいかん」
「・・・もう十分巻き込まれてるんだけど・・・」
「それとはまた別の問題じゃ。・・・・姫と関係していることは認めるが」

衣絽羽さんは顔を上げ、私を見る。その顔は、とても哀しみに満ちていて・・・。
一体、この人に何があったんだろう。私の能力(ちから)を欲しいために私をさらって、洗脳までした今回のこととは別のことって・・・?

それに、どうしてママはこの人に・・・








「おキツネ様、こうして会えたのも何かの縁。ゆっくりお茶でもしながらお話しませんか?」
「お主、何者ぞ」

「・・・わたしは美樹樹里。ただのしがない夢見ですわ」


つづく......

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第129話 真実 
お久しぶりです。リリボンです。


短く切りたかったのですが、どうしても入れたい描写がありましたので今回長めです。
すみませんm(_ _)m

今回は本部描写のみです。
伏線1つ目回収と言ったところですかね。






本部では怪我人の手当てで忙しかった。
緋漓、刹那、蜜柑、梔子の4人は眠ったまま。精神的なダメージを負っているらしく目覚めるのにはもう少し時間がかかるということだそうだ。


傷が深いshethメンバーは適切な処置のおかげで数時間で目を覚ます。
シェスリナは4人に向かって謝り続ける。
だが、そんな彼女に4人は「リナさんが無事でよかった」と自分達の身よりもシェスリナの心配をしていた。

「皆、ごめんね」
「シェスリナさんは何も悪くありません。悪いのはあなたを操っていたあの姫の方なんですから」
「そうです。たしかに死にかけましたが、貴方がいないとsheth部と呼べませんからね」

シェスリナは「・・・この馬鹿」と小声でつぶやいた。それでもその表情には部員が無事だったことへの嬉しさが混じっていた。


4人が目を覚ましたことを確認すると黒い女性は、治療室に全員来るよう集める。
次第に、治療室に人が集まってくる。


「集まってくれて感謝する。さて、本題に入ろうかの」

「・・・あなたは一体」

シェスリナが疑わしい目で女性を見る。
シェスリナの言葉にクスッと微笑むと

「そうじゃな。まずは妾の事を教えるとしよう」

そういうと、黒い女性の姿が鏡が割れるようにヒビが入り、破片が砕け散っていく。
鏡が割れ切ったとき、そこにいたのは真っ黒な女性ではなく豪華な着物を羽織り、頭には獣の耳があり尻尾が九本生えている姿になった。

その姿は狐が人の姿に化けているようだった。

「妾の名は衣絽羽と申す。よろしゅうな、人の子らよ」

その姿を見て、シェスリナ含むほとんどの者が吃驚していたが学園長だけは冷静だった。

「・・・あなた、九尾の妖狐ですね?」
「如何にも。さすが陰陽師の子孫じゃな」

学園長は車いすに座りながらも深くお辞儀をする

「うちの生徒を救ってくださってありがとうございます。しかし、なぜ貴方がこの子たちを?」
「・・・こやつらはあの蝶に対抗し得る唯一の存在。彼ら失くしてこの世界は救われぬ。妾もこの世界が無くなるのはいただけんのじゃ」
「・・・本当にそれだけでしょうか。私にはまだ何か裏があるように思えます」

九尾の妖狐はその言葉にすこし驚く。

「陰陽師の血は伊達ではないということか。ふむ、これは何を隠しても無意味ということかの」

しばらく沈黙が続く。みんな、妖狐の話をまじまじと聞いている。
シェスリナも珍しく、真剣に聞き入っていた。

「・・・実は、樹里から頼まれておっての。『娘とその仲間たちをどうか救ってほしい』とな」

その言葉にシェスリナと学園長、そして神楽は「え?」と一層驚いていた。
唐突な話に3人は動揺していた。

「なぜ樹里さんを知ってるんです?いえ、それ以前になぜ貴方に」
「・・・彼女は妾を一目で見抜いた。妾としては隠していたつもりだったんじゃがな。

・・・・・話題を振ってきたのは彼女のほうじゃ。我が子の未来、この世の行くつく先。それをどうにかしたいとな」

シェスリナは実の母の話を聞いて、複雑な気持ちだった。
自分の母は未来を視、その通りにならないようにずっと模索していたのだと。
時折悲しそうな、苦しそうな顔をしていたのはこの先に何が起こるか知っていたからだということに今、やっとわかったのだ

「樹里は誰よりもこの世を救おうとしていた。例え、必ず殺される運命だと分かっていてもな」

妖狐の口から語られた事実は、衝撃なものだった。
美樹樹里の死は不幸な事故ではなかったのだ。
それを聞いてシェスリナは涙を流していた。母親を守りたいがために学園に入ったのに、結局予言者だった母に救われていたことに。

「誰が・・・・誰がママを!!」

シェスリナは母親に何があったのか知りたがっていた。その答えがいま分かろうとしている。
我慢しきれずに妖狐に問いかける。

「・・・・知ってどうする。殺した相手を探し出して復讐でもするのか?」
「知りたいの!あの時、ママの身に何が起こったのか!」


妖狐は事実を伝えることに躊躇していたが、隠しても仕方がないとゆっくり口に出す




「・・・・・・・・・・・・お主を操った、あの姫じゃ」

その言葉に、シェスリナは支えていた足に力が入らなくなり、その場に崩れ落ちる。
そして先ほどよりも大量の涙が流れだす。それと同時に体が震えていた。


「姫にとって、樹里は危険な存在じゃった。未来を視る事ができる者、その中でただ一人あやつの陰謀に気づいておったからだ。彼女の死はどう足掻いても避けられんかった」

身体はまだ震えが収まらない。
自分を陥れ、力を得るためだけに。未来を知っている母親を殺し、自分までも利用されかけた。
ただただ、姫が憎い。だが、洗脳されていたことに対する恐怖も感じていた。

shethメンバーたちは震え泣いているシェスリナに寄り添う。テレリは、彼女の手を取り落ち着かせようとしていた

「じゃから、樹里は妾に託した。この世の行く末、シェスリナとその仲間たちのことを」

妖狐は座りこんでいるシェスリナに視線を合わせるようにしゃがみ

「・・・・樹里を救えなかったこと、本当に申し訳ない。すまぬ」

その言葉を聞いて、シェスリナは何も言えずただただ手で顔を覆い泣き続けるだけだった。

「なるほど。話は大体わかりました。それで、貴方の目的は何なのですか?この話をするためだけにこの子たちを救ってくれたわけではないのでしょう?」

学園長からの問いかけに、「ふむ、そうじゃな」と言いながら立ち上がり改めて向き合う。

「妾もお主たちの仲間に加えてくれぬかの?」
「・・・・貴方はかつて傾国の美女だったお方。人間のことはお嫌いだったのではないのですか」
「それは昔の話じゃ。今は人間に恨みなど毛頭ない」

その答えに、学園長は少し困惑したが嘘を言っているようには見えなかった。
九尾の妖狐は話を続ける

「妾もあの姫を倒すつもりでな。お主たちと妾の目的は一致しておる。お主たちとともに行動したほうが得じゃと思うてな」
「利害の一致ですか・・・。いいでしょう、歓迎します。九尾の妖狐さん」

その言葉に神楽は学園長に突っかかるが、「大丈夫」と言って笑顔を見せる。

「感謝する。良ければこやつとも仲良くしてやってくれ」

妖狐の懐から光を纏い、それは人の形を成していく。
大きな鏡を持った白と青が印象的な幼い少女の姿が現れた。

それは現れると自ら「鏡汐」と名乗り、ペコリとお辞儀をする。
こうして、本部に新たな仲間が加わったのだった。



***
その夜。
衣絽羽は一人、夜風を浴びに中庭に出ていた。
しばらく遠くを見つめていたが、あることに気づき人物の名を呼ぶ。

「・・・・ルーミアよ。そこにおるのであろう?」

図星をつかれたルーミアは観念し、姿を現す。

「なぜあの時、現れなかった」

衣絽羽は操られていたシェスリナによってかつての仲間が危険だったのにも関わらずその場に現れなかったことを問いている。
ルーミアは静かに答えた

「・・・・俺は一度みんなを裏切ってる。今更顔を出すなんてとても」
「妾はお主がいつ来るのかと待っておったのじゃがな・・・・。一向に現れる気配がないから妾が手を下したが」

ルーミアは俯き、何も言わない

「もう分かっているじゃろう?姫に使い捨ての駒として利用されていることに」
「・・・・・・・・・・・っ」
「あれはもうお主の知っている想い人ではないぞ」
「・・・・・・・分かってたことだ。リリーさんはもういない・・・・。あの姫に従ってリリーさんを元に戻す方法をずっと考えていたが一向に見つからない。全然ダメだな、俺・・・・」

そう俯いたまま、力なく語るルーミアに対し衣絽羽はこんなことを言うのだった

「・・・・方法なら、ないこともない」

その言葉にルーミアは顔をあげる

「知りたいか?」

つづく....

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