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第123話 囚ワレシ心 
鬱展開です。ご注意ください。
っていうかここ数話分、鬱な展開が続きます。

果たしてシェスリナを救えるか。
そして、緋漓は妹とどう接するか・・・・
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土埃が晴れ、そこにいた人物がはっきりと見え始める

shethメンバー4人は、目を疑った。そこにいたのは自分たちにとって最も最悪な状況だと分かったからである。

「・・・・リナ、さん・・・・」

そこに立っていたのは、シェスリナだった人。
みんなの部長で、いつも明るく元気な人だったモノ。
彼女の瞳には光がなく、服装も先ほどの黒百合隊の人たちと同じものを着ていた。
そして、どこか全体が黒く淀んでいた



***

一方出入り口付近で戦っていた雛と隴渡は部屋を移しながら戦っていた。
黎音はジェムを開放し、大人の姿で戦っていたが二人のコンビネーションに圧倒されていた

「お嬢ちゃん、もう勘弁したらどう?なんで姫に加担するの?」
「・・・・知らないクセに・・・・。姫様がどれほど辛い思いをしてきたのか、知らないクセに・・・・!」

フルートを奏で、音符を飛ばす。
だがその攻撃は隴渡の水の壁で軽々と塞がれていた

「・・・・その攻撃はもう見飽きたよ」

そう言って、槍を構え勢いをつけて飛び上がり、黎音に振り下ろす
振り下ろされたところから埃が舞う。だが、そこには黎音の姿はなかった

隴渡が慌てて、雛の後ろを守りに行く
何があったのか分からない雛は後ろを振り向いてひどく驚いた
黎音ではない魔女の姿をした者が襲い掛かってきたからである

「おやおや、素早いですこと」

そう言って後ろに飛び下がった。
その隣に座りこんでいる黎音の姿があった

「・・・・いつのまに」
「黎音がご迷惑をおかけしました。どうか、許してあげてくださいませんか?ああ、ご心配なく私“は”貴方方に手は出しません」
「あんたも俺らも敵同士だ。なのになんで」

笑顔だった魔女も疑問を投げかけられ、真顔になる。

「・・・・これが終わってくれるなら・・・・。なんて・・・・、私の望みはそれだけなんです」
「え・・・・?」

魔女は黎音を魔法で持ち上げ、また笑顔を見せる

「では、失礼します」
「あ・・・・!?おい!待てっ!!!」

雛が追いかけようとしたとき、魔女が静かに囁いた

「・・・・貴方には私よりももっと大事なことがあるでしょう?朱巫雛さん」

その言葉が聴こえ、「え?」と口にした次の瞬間。
雛の横から壁を崩して誰かがこちらにやってきた。そして雛に攻撃してくる

「雛!!」

隴渡は水を素早く操り攻撃が当たる前に剣の軌道を無理やりそらした
雛はびっくりして、そのまま後ろに尻もちをついた

「次から次へと・・・・なんだって言うんだよ・・・・」
「雛、構えろ。来るぞ」

その言葉に前を見る
そこには、

「・・・・ねえ・・・・さん」

実の姉が剣を片手に立っていた

「頼もしい彼氏さんね。少し安心したわ」
「・・・・姉さん・・・・ッ!」
「そんな怖い顔しないでよ、雛。お姉ちゃん悲しいわ」

普通に接してくる姉に雛は腹立たしかった。歯を食いしばる

「これが実の妹にすることなんですか!?」

隴都も怒っていた。実の妹に剣を振りかざしたことに対して怒っていたのだ
その様子に、姉は少し悲しそうな顔をする

「・・・・ここは狭いし。隣の部屋に移動しましょ?ここよりは広いから戦いやすいでしょう」

そう言って、隣の部屋に来るように2人を促す。
何を考えているのか分からない2人だったが、立ち止まっているわけにもいかず姉の後についていった

***

シェスリナが現れたことに驚きながらも、テレリは恐る恐る近づいていった

「テレリさん、危ないです!」
「・・・・シェスリナさん・・・・、無事・・・・だったんですね・・・・心配したんですよ?一緒に帰りましょう」

そして手を差し伸べる。
だが、その言葉を聞いてもその手を見ても眉一つ動かさない。
優しく笑いかける彼女に、シェスリナは黒い霧で剣を創り出し、突き刺す


血が流れる。

そして、その場に倒れた


「テレリ・・・・さん・・・・?」

息苦しく必死に呼吸をしようとするテレリの姿は誰が見ても辛いものだった


「テレリさん!!!」


つづく.....

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第122話 ラミア 
戦闘シーンに時間喰ってました(爆)
まあ、次も戦闘シーンなんだけどねーAHAHAHA

戦闘シーンが一番書きづらいとこなんで、終わったら更新速度加速するかもです。
あと、番外編かこのお話のどこかで簡単な(長くなりそうだけど)衣絽羽の回想を入れようかなー・・・・とか。
彼女の人生知りたいでしょ?え、知りたくもないって?w

知りたい人いたらまあ、考えておきますかね。それか「それよりこの人の知りたいわ」とかあったら言ってくれたら書くかもしれない。

作中で今までなんども登場した「ラミア」というのはラテン語で吸血鬼のことです。






燐姫は、蝶姫を玉座に座らせて眠らせている。
アビス達は玉座の間に集まり、侵入者達と幹部達との戦いを魔法陣を介して見ていた。


燐は優しく姉の頭を撫でていた。
しばらくすると、姉が目を覚ます。

「・・・・ここは・・・・」
「おう、おはよう。やっとお目覚めか」
「お姉様、大丈夫?」

しばらく戸惑っていたが、「大丈夫」と言いながら起き上がり玉座に座る

「見て、お姉様。黒百合が頑張ってくれてるのよ」
「・・・・侵入者?」
「ちよが寝てる間にここに侵入してきたやつらがいてな。今黒百合たちに任せてある」
「・・・・そう」
「蝶様、本当に大丈夫ですか?顔色が」
「・・・・・大丈夫よ。心配かけたわね」

・・・・なんでこんなに複雑な気持ちになる?
何か、夢をみていた気がするのに・・・・そのあとのことが思い出せん。

それに、侵入者が現れた?
結界に触れられたら嫌でも分かるはずだ。なのに何も感じなかった・・・・
私はどうしてしまった?


困惑した表情の姉を妹はまじまじと見つめていた。





刹那の蹴りがテレリに当たる直前、橙色の結界がそれを拒む。
慌てて後ろに下がってもう一度見ると、その結界は何事もなかったかのように消えていた

「(なんだ今の。・・・・ちっ、なんだっていい)」

テレリはまだ全身が痺れ、うまく動けないでいた。
動けないテレリを仕留めようと、刹那はすばやい動きで連続で殴りつける
動けず、何もできないメンバーたちは見ていることしかできなかった。

辺りに土埃が舞う。

手ごたえがあったと満足そうにしていたが、よくみると殴っていたのは床だった
すぐ横をみると、そこには攻撃を避けたテレリの姿があった

それを見て、驚いていた

「梔子の痺れ香り強力なのに・・・・なんでそんなに動けるわけ?」
「・・・・いま・・・・私は、あなた方に殺されるわけには・・・・いかないんです・・・・!」

睨め付けながらそう振り絞って叫ぶ吸血鬼の瞳の奥には誰も見たことがない強い意志が垣間見えた。
殺された仲間たちへの思いとシェスリナを守らなければという思いが重なっている吸血鬼は誰も止めることはできない。
テレリはゆっくりと立ち上がる。
それを見て、黒百合隊の3人はますます驚く

「こ、こいつ・・・梔子お姉様の香り受けてるのに、立ちあがれるなんて・・・・」
「一番最初に殺さないといけないのはこいつみたいね・・・・!」
「【・・・・信じられない】」

そして目に見えるほどの強い意志を赤いオーラを纏った吸血鬼ラミアの反撃が始まる
コウモリの翼を広げ、飛びながら何十本もの矢を一回の発射で撃つ。
3人を閉じ込めるように降り注ぐ赤い雨は大理石の床に次々と穴をあける

刹那は自慢の速さで攻撃をかわしていたがテレリの攻撃のほうがあまりにも速く、【瞬速】の刹那でも一苦労だった
服を切り裂いていく。
蜜柑は巨大な斧を盾にして矢の雨を防いでいたが、勢いがありすぎて押され気味だった
梔子は攻撃をずっと走りながらかわし続けていた



「・・・・くっ、舐めるなよ!!」

刹那は能力を限界まで引き出し、目に見えないほどの速さで攻撃地帯から脱出。そして空に飛びあがっているテレリに拳をぶつける。
だが、片手でそれを受け止められる

「!?」
「・・・・遅いです」

そして受け止めた手で床にたたきつける
あまりの速さに刹那は手も足もでなかった

「刹那!!」

テレリが頑張っている姿を見ていたメンバーたちもこうしちゃいられないと、反撃に出る。
その時、ちょうど体の自由がきいてきた。今がチャンスだとルインティア、バラージュ、クルセィの3人はそれぞれ能力を使って気づかれないように攻撃を開始する

蜜柑は盾として扱っていた斧を攻撃を受けることを覚悟でテレリに投げつけようとするが、自分の足と斧が凍り付いており持ち上げるのも精一杯だった

「な、なにこれ!?」

そして次には氷の槍が10本連続で横から飛んでくる。それをまともに受けた

「・・・・・僕たちのことも・・・・忘れてもらっては、困りますね・・・・!」


走り続けていた梔子は理想の夢を見させる香を出そうとしたが、目の前から巨大なジャイアントが突進してくるのを目撃。
怖気づいてしまい、そのまま逃げた。
それに追い打ちをかける。床を思いっきり拳でたたきつけるとそこから床が割れていく。
梔子の走る速さでは逃げ切れず、そのまま足を巻き込まれてしまう
その寸前で前に向かってわざと倒れることでバラージュの【地割れ】から逃れたが
目の前にはクルセィが立っていた

「悪いな、俺ら先に行かなきゃいけないんでな」

シリンダーから細かい灰が発射される。それは梔子の周りをぐるぐると周り出す
そして次の瞬間、梔子は水に包まれた。息ができずにそのまま溺れてしまった
溺れたことを確認するとすぐに水を解除。梔子はぐるぐる目を回しながら気絶していた

「また痺れ粉使われたら洒落にならんからな・・・・。悪く思わないでくれ」


テレリがゆっくり宙から降りてくる。
そして翼をたたむ。

「皆さん、ご無事でしたか」
「ああ、なんとかな」
「テレリさんこそ、ご無事で?」
「ええ、私なら大丈夫ですよ。心配をおかけしました」
「あんなてれりん初めて見たジャイ」

そう言われ、少しだけ顔を赤くした

「・・・・大切な仲間たちを守るためですから・・・・、当然のことです・・・・」
「ははは。そうだな、早いとこリナさん助け出さないとだ」
「・・・・はい!」


****

玉座の間では、あっさりとやられてしまった黒百合たちを見て一同呆れかえっていた

「・・・・やっぱり、アタシらが出向いたほうがよかったんじゃ?」
「全然使えない奴らだったわ。・・・・お姉様、どうするの?」

それを見ていた姫は、目を赤く光らせ次の一手を打つ

「・・・・あいつを使う。フフ、こいつらの手に負えるか・・・・お手並み拝見といくか」



暗い部屋で起き上がる人影。そしてそのまま手枷と足枷をぶち壊しどこかへ消えた


***


これで障害は全員倒したshethメンバー達。
急いで先に進もうとしたその時。


ゴーン!と物凄い音が響くと同時に、土埃が舞った

「な、なんじゃい!?」

土埃が舞っている方向をよく見ると、ひとりの女性がそこに立っていた
そしてその姿を視認できた瞬間、テレリは動揺しはじめる

そんな・・・・まさか・・・・・


「・・・・・シェ・・・・・(嘘・・・・だ・・・・)」



「シェスリナ・・・・さん・・・・・?」


続く.....

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第121話 黒百合 
全然更新してなくてすんませんでしたあああああああああああああああ


ということで、なんか完成してたお話を更新しておきます。はい。
続きはいま書き書きちうなんでもうちょっとまってね?
さぁて、どう続けさせようかねぇ。あんまりここで長くしてしまうとマジで終わらないわ(
たぶん最終決戦のほうがもっと長くなるかもだしw

と、いうわけで今年は時間あるんで今のうちに書けるところまで書きます







色がない灰色の世界。
シェスリナと“影”はいまだに争っていた。


シェスリナは息を切らし、ボロボロな姿で必死に立っていた。
それを“影”は、焦りながら見つめていた



こうしている間にも、空には亀裂が広がり姫の闇がこの世界を飲み込もうとしている。
飲み込まれてしまったらこの世界は支配されてしまう。
心も身体も支配され、シェスリナは自分の仲間たちを殺す。
・・・・そんなことになってしまったら、本当にシェスリナが戻れなくなってしまう・・・!


「いつまでもこうしてられへん。今は姫が眠っとるのかわからへんけど、闇が大人しい。今のうちに、うちを倒せ。シェスリナ」
「・・・・・そ、そんなの・・・・できるわけ・・・・ない、じゃない・・・・!」


ずっと、呼びかけているが、さっきからこう言って“影”を倒そうとしない。
いつまでも、自分を倒そうとしてくれないシェスリナに対して“影”は焦っていた。


「貴方を倒したら死ぬんでしょ!?殺すことになるのでしょう!?そんなの私はいやよッ!!」





―――

テレリ達は、次元の狭間をまっすぐに進みやがて出口が見えてきた。
飛び出した彼らの前に映ったのは、月は赤く、すべてが暗い世界だった。

目の前には立派な城があり、周りは森で囲まれている。

「ここが・・・姫がいるという城・・・?」
「なんか、寂しいな。人の気配もほとんどない」
「・・・・・あの時の城・・・・。しかし、森に囲まれてはいませんでした。ここは一体・・・」
「とりあえず、前に進もう。君たちのリーダーを助けないとね」

隴渡に促され、皆は城へと進む。
だが、案の定門番はいる。

彼らが侵入してきたと知り、門番をしていた黎音は攻撃を繰り出す。

「・・・・お前ら、どうやって入ってきた・・・!」
「あなたも魔女ですね。私たちは仲間を助けにここにやってきました。そこを通してください」
「残念だけど、ここを通すわけにはいかないねぇ。それでも通るってならあたしを倒してからにしな!」

そう吠える黎音に、テレリ達は戦闘態勢を取るがそれを隴渡と雛が止める。

「・・・・ここは僕たちに任せて。君たちは早く中へ」

水を周りへ纏わりつかせながら隴渡がいう。
雛もジェムから槍を取り出し、構える。

「なんだよお前ら!邪魔なんだよ!!」

黎音は詠唱破棄で次々と氷の棘を作り出しそれを繰り出す。
その隙にテレリ達は中へと入るため、門を開ける。

それに気づいた黎音はテレリ達に向かって攻撃を繰り出そうとするが、槍が目の前に飛んでくる。

「あんたの相手は、あたしらだよ。お嬢ちゃん」


城の中へ入っていったテレリ達。だが、人の気配はない。
目の前には2階へ上がる階段。
進んでいく。まっすぐ、まっすぐに。

進むたびに扉が出現する。何重にも扉を開け、遂に視界が開ける。

そこは巨大なホール。
しかし、やはり誰もいない。

「・・・・おかしいですね。こんなに大きな城なのに、誰とも遭遇しない」

ルインティアがそう口にした次の瞬間、巨大な斧がテレリ達に向かって降ってくる


床に斧が刺さる。
間一髪のところでルインティアは身をかわした。


「えー?避けちゃうのぉー?」


子供の声。それは少女の声だった。
そしてその斧を軽々と持ち上げる少女の姿があった


「今の思いっきり殺そうと思って投げたのに。いじわるぅ~」
「お、女の子・・・・」


その子供は黒い制服を着ていた。腕にはジェムがつけられたブレスレットがある。
テレリ達は一目でアパルリッターであると分かった。

「こらこら蜜柑。先走らないの」

今度は女性の声。蜜柑と呼ばれた女の子の後ろからこちらにやってくる。
その後ろに、スケッチブックを持った女性。


「あなた方は・・・・?」
「私たち?黒百合(フリティラリア)学園の生徒にして姫様に選ばれし幹部」

そういうとスケッチブックを持った女性がこちらに向かって書いてあるものを見せる

『【黒百合(フリティラリア)隊、幹部。それが私たち】』


「フ、フリティ・・・ラリラ?」

聞いたことがない言葉に、バラージュは困惑していた。

「黒百合のことですか。不吉な花言葉を持つ黒い百合で有名ですね」
「その通りっ!花言葉コワイよね!でも百合ってキレイなんだよぉ?」

テレリの言葉に賛同する蜜柑。
その無邪気な姿に、shethメンバーは戸惑っていた。
なぜ、そんな風に笑えるのかが理解できなかった。
自分たちを幹部だと名乗る女性たちのジェムはすべて黒ずんでいたから。


「・・・・悪いのだけれど、上からの命令であなた達を始末しろとのご命令を受けたの」

その言葉を聞いて、shethメンバーは全員身構える。

「私たちは、あなた方と戦うつもりはありません。そこをどいてください!」
「無理無理~。命令は絶対なんだもん」

そういうと、蜜柑はテレリ達に向かって斧を振りかざす。
当たる直前に、それぞれの方向へ散らばった。
斧は床に刺さり、床は粉々に砕け散っていた。


「梔子、頼んだわよ」
『【OK】』

梔子は右手を上に上げると身に着けている指輪からキラキラ光る煙を部屋中にばら撒き始める。
その煙が部屋中に充満した頃、皆の身体が痺れ始める

「うっ・・・・、くそ・・・・」
「ははは!いい気味ね!」

そして、膝をついて動けなくなってしまったshethメンバー達を蹂躙し始める。
刹那は、一瞬のうちにルインティアの場所まで移動し、蹴飛ばす

蜜柑は、斧をテレリに向かって振り下ろす。
テレリは身体が痺れながらも、斧をかわす。

「あれぇ?なんで梔子の痺れ香り受けて身体動かせるのぉ~?」
「そいつが、真祖の吸血鬼なんじゃないかしら。ほら、姫様も吸血鬼には注意しなさいって言ってたでしょ?」
「そっかぁ!じゃあ、この子から始末しないとだねっ!」

テレリは少女から殺気を感じ取った。本気で自分を殺そうとしている。
少しずつ、弓を引き矢を放つ。
だが、身体が痺れていて思うように矢を放つことができない

その隙に、刹那が脚に着けている刃をテレリに向けて切りつける







長い長い廊下を一人歩く。
やがて、一つの扉の前に立ち止まりゆっくりとドアノブに手を掛ける。

音を立てぬように静かに扉を開け、部屋の中に入っていく。

目の前に広がったのは、あちこちに傷が付き、部屋の中にあった物のほとんどが破損している。
よっぽど暴れまわったのだろうか、その中心に静かに眠っているシェスリナの姿があった。

それを見て、緋漓は少し冷や汗をかいた。
姫に言いつけられるがまま、彼女をさらい、今は面倒を見ている。
こんなことをしていいのだろうかと、彼女の中で気持ちに揺れが生じている。
シェスリナを連れ去る際、妹の雛と顔を合わせてしまったことも気になっていた。
『敵』であるとバレてしまった以上、いつかは実の妹と戦うはめになるということは予想できてしまうからだ

「・・・・・・雛・・・・」

彼女は妹の名前を心の中で呟いた。
そして、様子を見終わったあと静かに部屋を出て行った。


つづく.....

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第120話 黒巫女 
あれから皆さま、お元気でしょうか?
もう2017年になってしまってました。


正直に言うと、モチベーションがなく書く気も起きてませんでした。
なので、去年は更新した分以外何も書いてません。
いや、書いてはいたのですが話の繋ぎ方や台詞、どういう場面から繋げようかとずっと悩んでおりました;
なので、没になってしまったお話がいくつか・・・・

さすがに、ルインさんに影響されて書いていた小説のように、やけくそで中途半端な終わり方とか続け方にしたくないのです。
このNoirPapillonは確かに私の妄想小説です。それでも、自分で書きたいと思って始めました。
途中でやめたくはありません。この物語を最後まで書きたいと思っております。


もうとっくに3月に入ってて、新年の挨拶なんて遅すぎます。
でも、言わせてください。

本年もどうぞ、よろしくお願いします。





本部では、謎の黒い女性から手渡された結晶石と、行方不明とされていたアパルリッターの少女の分析を終えていた。

あの皆を襲ったアパルリッターは、確かに行方不明のうちの一人だった。
ジェムの汚濁がかなり進行していたことから、相当なストレスを抱えていたと思われる。
だが、ストレスと言ってもジェムが真っ黒になるまで汚れるのは可笑しい。
あれは何者かが無理やりに負の感情を植え付けたと思われる。
恐らく蝶姫以外にありえない。学園長の菖蒲もそう思ったようだ。

そして、テレリから手渡された黒白の結晶石はやはり美輝シェスリナの母親、美輝樹里のものであった。
なぜその黒い女性が持っていたのかは分からない。
だが、樹里のものであると確信した学園長は、この結晶石を使って異世界への扉をこじ開ける準備に取り掛かる。


準備している間に、shethメンバーは全員乗り込むことを決める。
また、姉が敵側についていると分かった朱巫雛と清幽隴渡もshethメンバーと共に乗り込む準備をしていた。


翌朝、異世界への扉の前に、皆は発つ。


「みんな、気を付けてね。危ないと思ったらすぐに戻ってきて」

shethメンバー達は部長のシェスリナを取り戻すために。
雛は姉を連れ戻すという目的のために。
それぞれの目的を胸に、蝶姫がいるであろう異世界へ乗り込むのであった。




その様子を、黒い女性は木々の陰から見ていた。







―――。

眩しい太陽。爽やかな風。小鳥たちのさえずり。
森の中で木々が風に揺られる音を聞いて、私は神木の木陰でお昼寝をしていた


「  。  !」
「・・・・・衣絽羽・・・・」
「こんな処におったのか。探したぞ」
「ごめん、ちょっとここに来たかったの」
「何処かに行ってしまったのかと思ったぞ?妾を置いていくな・・・」


綺麗な銀の髪。狐の耳とまだまだ小さい尻尾。金色に輝く鋭い目
着物を来た少女は悲しそうな顔をする。

私は、毎日衣絽羽と過ごしていた。


「置いていかないよ」
「その言葉、嘘ではないじゃろうな?」
「私が嘘を吐くと思う?」
「いや・・・・」


とても素敵な場所。素敵な思い出。お互いまだまだ未熟なアヤカシ同志。
何かあったら助け合おうって約束した。私の大切なひと。

「えへへ~尻尾いい肌触り~」
「ちょ・・・・!?何をするか!そ、そこは・・・・」
「えへへ」

楽しかった。衣絽羽と出会えてよかった。




・・・・なのに。


「のう、  。妾、お主に言いたいことがあるんじゃ」

ノイズが私の頭の中に響く。

どうして?どうして聞こえないの?
あなたは今どこにいるの?
私は。誰なんだっけ


誰ナンダッケ




*
*
*





―――お姉様!!


暗い城の中。姫達の寝室。蝶姫は燐姫の呼びかけで目を覚ます。
燐の声がする方向へ顔を動かす。

「よかった、お姉様・・・・無事で」

笑顔を見せる燐姫。だが、蝶姫は微笑まない。
とても不思議そうな顔をしていた。

「・・・・お姉様?」

蝶姫の口が開く

「・・・・・あなた・・・・誰?」


その言葉を聞いた燐姫は、目を見開き憎しみと悲しみが混じり合った眼をしていた。
そして、次に取った行動は姉を再び眠らせることだった。強制的に術で眠らせる

「・・・・・ウソよ。お姉様が私を忘れるワケないじゃない。忘レルワケ・・・・」


そこにアビスがやってくる。

「・・・・燐。侵入者が現れた。俺達はどうすればいい」

その言葉に燐は闇を秘めた瞳で、振り向く。

「・・・・あの子達、暇なんでしょ?だったら」







「黒百合ヲ使イマショウ・・・・?」


つづく.......

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第119話 懐古ト失クシタ名 
何かの目的のために、何かをずっと探し続けている九尾の妖狐「衣絽羽」。
度々姫の前に現れては消え、消えたと思えばいつの間にかそこに居る。

姫は何かを思い出す。だが、それは自分の中にはない『過去の記憶』


蝶の妖怪と狐の妖怪。
2人の縁は切っても切れない。深い深いところまで繋がっているのだから






・・・・




『今日はすまぬな。急に邪魔して』
『いいのよ、   だもの。久しぶりに会えて私も嬉しいから』

何・・・?聞こえない・・・

『・・・やはり、やるのか?人と妖が共に在る世界を』
『決めてしまったから。それが今、私が叶えなければならない願いだと思うの』
『頼むから、無茶だけはしないでくれ。昔から  は一人で抱え込むから心配じゃ・・・』
『大丈夫よ。ありがとう、   』




・・・・頭が・・・・痛い・・・・。



『・・・・・・  』


なんて、言ってるの?
ねえ・・・・。教えて・・・・・


私は、



蝶姫はその夜、うなされていた。そして、ゆっくり目を開ける。
その表情はいつもの仲間たちに向ける顔でも、妹にしか見せない優しい顔でもない。

ただただ辛いだけ。なぜそう感じるのかも分からない。


頭を押さえながら、蝶姫は寝ている妹を起こさないようにゆっくり起き上がり部屋を出て行った。




向かった先は水浴び場。黒い水浴び場とは別に創った、落ち着きたい時に来る場所。
ゆっくり冷たい水に浸かる。
そして、水の上で仰向けになり、目を閉じる。

しばらく、そんな静かな時間が流れた。


そして、何かの気配を感じて閉じていた目を開ける。


「・・・・何の用だ・・・。」
「なんじゃ、燐は一緒ではないのか?珍しいの」
「頭を冷やしにここにきただけ…。用が済んだらすぐに戻る」


九尾の狐だった。どこからともなく現れては、どこからともなく消えている。
蝶姫は不思議だった。一体どこからこの世界に入り込んでいるのか。なぜ、何度も自分の前に現れるのかが。

「何。少し、様子が気になっての」
「・・・・」
「この時間だから寝ていると思っておったが・・・。どうかしたのか?」
「・・・・お前には関係ない」
「顔色が悪いのう。何かあったのか?」
「・・・燐がお前に気づく前にここから出て行ったほうが身のためよ」

蝶姫の声にはいつもの元気はない。それでも、強がっている姫を見て狐は少し悲しそうな目をしていた。
狐は水浴びしている姫に近づく。そして姫に目線を合わせるようにその場にしゃがみ込む。

その行動に警戒したのか、姫はゆっくりと起き上がる。

「・・・」
「安心せい。何もせん。どうも、様子がおかしいのう。いつものお主はどこへ行ったのじゃ?」

そう言うと狐は姫の頬に手を当てる。
その時、姫の中で戸惑いが生じる。自分は知らないはずの記憶が流れてくるからだ







『妾はそろそろ戻る。世話になった』
『うん。気を付けてね、衣絽羽』
『無茶はせんようにな。すぐに一人で悩むから・・・』
『分かってます。心配してくれてありがとう、お狐様』
『ではな。また機会があればここに来る』
『じゃあね』


『・・・・  』
『うん?何?』
『・・・・・・・・・・・・なんでもない』



・・・・・違う。私は、こんなの知らない。
私は知らない。私の記憶じゃない。私は・・・・






「・・・・蝶姫?」

「い、ろ・・・・は・・・・」


蝶姫が九尾の狐の名を口にした瞬間、少し驚いた表情をする。
そして、恐る恐る聞く

「・・・・そなた・・・。まさか・・・・」
「・・・・わ、わたし・・・・・わた、し・・・は・・・・・ッ」

その時、この静寂を邪魔するかのように鋭い刃が放たれた。衣絽羽と蝶姫を引き裂くように。


「またお前か!お姉様から離れろ!!」
「・・・・少し話をすることもできぬのか・・・・?なぜお主はそんなに妾を嫌う」
「黙れッ!!!」

今度は燐の周りから炎が立ち昇る。
その炎は狐を取り囲もうとする。

衣絽羽は片目を閉じ、金色の瞳を輝かせるとそれを跳ね返す
それに燐は怯んだ。

「・・・・術は見事じゃ。じゃが、この程度では妾を捉えることはできぬぞ」

その間も、蝶姫はまるで人間の少女に戻ったかのような無垢な瞳で九尾の狐だけを見つめていた。
何かを言いたげな瞳で。

それを見た衣絽羽は、悲しそうに顔を姫に向けて言った

「すまぬ・・・・。まだ、お主と話すことはできぬようじゃ。  、この名が届かぬ限りは」
「あ・・・・あ・・・・い、いろは・・・・・」
「必ず、助け出す。また会いに来る。それまで、待っててくれ」

そういうと、衣絽羽は白と黒が混ざり合ったような境界を開く。
ゆっくりとそれに近づき、亀裂の中へ吸い込まれる。そして、消えた


消える間際に、姫は手を伸ばして叫んだ

「ま、待って・・・・!衣絽羽・・・・!待って・・・・わたし、言いたいことが・・・・

そういいながら最後には眠ってしまった。
燐は姉を呼びながら、眠ってしまった姉を抱きかかえる。

「・・・・なんで、あいつの名前を呼ぶの?お姉様・・・・」


つづく......

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