TOP > *Noir Papillon* > Title - 第35話 裏切リ者

2017 04123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 06



第35話 裏切リ者 
おはこんにちヴぁんにゃ

小説第35話です。
今回の回は書いててかなり長くなってしまい、(メールで書いてるんですが)容量が足らなくなってしまいましたww
始めての出来事だったのでびっくりw
仕方ないので、途中で切って続きを次回にまわしました。

タイトルも苦戦しましたが、話の内容としてはこのほうがしっくりくるかなと思いつつこのようなタイトルにしました。

私としては早く2年前の話やら1500年前の話やらといった過去話を書きたいところですが、まずはこの第1章を終わらせることを最優先としましょう。書きたい気持ちが抑えきれないのであれば書き溜めるなりしましょうか・・・。

次回は、戦闘シーンが主になってくると思います。
そして、徐々に真実や姫の目的が分かってくるでしょう。


―――まだ彼女の願いは残っている。


※レジェンドをアパルリッターに変更しました。意味は守護騎士です




その頃、本部では―――。

神楽「これは・・・っ」
菖浦「・・・どうやら、活動を本格的に始めたようね。このままでは不味いわ・・・」

2人は巨大なモニターを見ながら、冷や汗をかいていた。モニターには魔獣の出現位置や結界の安全性、大気の状態など様々な情報がリアルタイムで映し出されていた。現在は赤い印が各地に点在し結界のパラメーターも不安定な状態が続いている。
本部はオペレーターの音声や機械のタイピング音などでいつもより一層騒がしかった。

『結界が崩れかけています!全アパルリッターにコードD発令!』

『魔獣の数が多すぎます!』

菖浦「・・・神楽ちゃん、あの山奥にある建物は今どうなってるか分かるかしら」
神楽「何も変化は・・・」

もちろん、闇霧山にある不審な建物も忘れてはいなかった。
学園長である菖蒲は現在の状態を聞き「変化なし」と言われ妙な違和感を感じていた。
考え込み、菖蒲はある決断を出す。

菖浦「・・・・・・私たちも行きましょう。これ以上被害が出ないようにしないとね」
神楽「承知しました。直ちに準備します」

神楽はすぐに準備に取りかかりに事務室へへと戻る。
菖蒲は今でもずっと不安定になっているモニターをじっと見つめていた。






再び屋上

テレリ、シェスリナ、クルセィ、ルインティアの4人はジェムを解放し変身を終えた後、それぞれ武器を持ち戦闘態勢に入っていた。腹に傷を負い、その上頭を殴られたバラージュは床に埋もれたままだ。


テレリは姫が放ってきた破魔矢《パージ・ランツェ》を見た時、<古代の能力>の1つだろうという推測に至った。

テレリ「・・・古代の能力・・・忘れ去られた物だとばかり思っていましたが、そんなことはなかったようです・・・」


シェスリナ「え?え?つまり、現在にはもう存在しない能力をあの子が持ってるわけ?」

それを聞いてシェスリナはあわてふためく。なぜなら<古代の能力>なんてものを見たことも聞いたこともないからである。

テレリ「そうなりますね・・・詳しくは分かりませんが、恐らく禁忌とされている能力であることは間違いないでしょう。今では誰も取得できないはずです」

蝶姫「説明ご苦労様」

蝶姫は笑顔で言い放つと今度は彼女の周りから木の枝が芽生え始める。木の枝は急激に成長し、人の身長の倍の高さにまでなった。すると、分厚くて鋭く尖った木の枝の先が物凄い勢いでシェスリナたち全員の位置にまで針のように素早く飛んできた。倒れていたバラージュは床からの振動の音で飛び起き飛んできた木の枝を回避した。他の皆もそれを左へ右へ上へ後ろへへと飛び回避する。


ルインティアは木の枝を回避しているうち、あることに気がつく。
この木の枝を様々な植物を操ることができる人物、そして姫が繰り出している技を知っている気がしたのである。

ルインティア「この技は・・・!」
蝶姫「フフ・・・気づいたかしら・・・?」

今度は頭上に炎を作り出し、それをリナたちに向かって放つ。
先ほどの破魔矢よりもさらに倍の大きさの球体はクルセィに当たる直前に爆発した。クルセィは爆風で後ろに飛ばされたが、それを利用してシリンダーで床に水の塊を放ち壁の衝突を抑えた。
その爆風で逃げていたバラージュも吹き飛ばされ壁に激突し、再び倒れてしまった。

ルインティア「やはりあなた・・・他人の能力を・・・!」

蝶姫「・・・ククッ・・・」

今までにないくらいにおぞましい狂気を放ちながら嗤(わら)い始める。
全員その嗤いを聞いた瞬間、警戒を強め武器を手に持ち構える。

蝶姫「そうだよ・・・私の能力は記憶《ヘリッヌリング》・・・」

テレリはその言葉を聞いて、今までにない恐怖を感じる。

テレリ「・・・《ヘリッヌリング》・・・っ。相手の能力を・・・覚える、能力・・・!」

蝶姫「何をそんなに恐怖する?」
テレリ「・・・だってそうでしょう・・・?貴女は、何人もの能力を、覚えている・・・」

記憶《ヘリッヌリング》は、今まで見た技、能力を覚えることができる。覚えられる数に制限はなく、むしろ本人よりも数倍の威力を発揮できるというもの。しかし、その強力で扱いが難しいと判断された為に、今では禁忌として封印されている。つまり、何万年も生きている者しか扱い方を知らないことになる。

蝶姫「非常に役立たせてもらっている。お前達の能力は一部ではあるが記憶した。だが、シェスリナの能力だけはあまり記憶したくはないな・・・」

シェスリナ「へ?なんで私・・・?」

どうして自分だけなのかがわからず混乱している最中、突如それぞれ身に付けていたジェムに本部から連絡が入る。

『全アパルリッターに通達!コードDの発令を確認!各アパルリッターは速やかに任務を遂行してください!繰り返します、各アパルリッターは直ちに魔獣を撃退してください!』

ジェムが反応し全てのアパルリッターにウインドウが開き画面には魔獣の出現位置が表示された。赤い点はどんどん増えていき、それは1つの場所へと集まっているように不気味な動きをしていた。

そのウインドウは姫にも表示されていた。それを見て彼女は「計画通り」といった不気味な笑みを浮かべた。


皆が突然の出来事にあたふたしている中、姫のジェムに通信が入る。

サフィラ『姫様。もうすぐ時がやって来ます。我々は儀式の準備をしに陽刻楼(ようこくろう)へ移動しますので姫様もお急ぎください』
蝶姫「・・・分かったわ」

姫は式神を召喚し、眠っている燐を麗紅(れいほん)の背中に乗せて陽刻楼へ行く態勢になる。飛び立つ前に姫はある人物へと語りかける。

蝶姫「・・・・私は先に陽刻楼へ行く。お前はこいつらの相手をしてやれ」

「へいへい、わかりやしたよ」

返事を聞き終えるのと同時に姫はその場から消え去った。ルインティアは追いかけようとしたが、床から木の根が顔をだしそれは見事なまでに壁のように形を変えた。
シェスリナは先ほどの声をどこかで聞いたことがあるような感覚を覚える。そして、声が聞こえてきた方向へ目をやる。

シェスリナ「・・・ん?その声は、るみみん?」
ルーミア「おーすっ」

ルーミアは屋上の高台に座り込み上から傍観している形になっていた。それを見てシェスリナは顔をむくれさせる。

シェスリナ「あんた、そんなところで何してんの?呑気に座ってないであんたも手伝いなさいよ!」
ルーミア「・・・いいのか?私が参戦しても」

リナたちにはルーミアの言っていることが理解出来なかった。いや、理解したくなかった。

シェスリナ「は?あんた何いってんの?w頭おかしくなっちゃった?w」
ルーミア「・・・・私が参戦したら、リナさんらが不利になるから傍観してたんだけど、それでもよかったのかい?」
ルインティア「ルーミアさん?」

ルーミアはしばらく街の中心にある一番空に近いと言われている塔をじっと見ていたが、我に返ったかのようにその場に立ち上がった。

ルーミア「・・・『りりちよ様』に頼まれたし、ちゃちゃっと終わらせようかねぇ」

クルセィは冷や汗をかき、彼の言葉の意味をじっくり頭の中で整理しようとした。だが、何かが邪魔しているかのように頭は何も働こうとはしなかった。

クルセィ「・・・何かおかしなものでも食ったのか?変だぞ?」

ルーミア「“おかしなもの”・・・か。そうだな、こう言えばいいかな」

その言葉を聞いてルーミアは一瞬考え込む。そして静かに口を開けた。

「『俺は姫の魔力を食った』・・・とか」

それを聞いてテレリは怒りが込み上げる。その言葉の意味を彼女はいち早く分かったのだ。

テレリ「ルーミアさん!正気ですか!?」
ルーミア「俺は何時だって正気だぞ?まあ、実際魔力なんて食ってないけど・・・まあ、なんだ。要するに『姫に惚れた』とか言えばいい?」

人間として、禁じられている行為の1つだということを感じ取ったシェスリナは怒りで言葉も出ないほどだった。
彼女の拳はいつも以上に強く握り締められている。

ルーミア「ハハッ、私あの姫のサポート役だ。悪いな・・・」

ほんの少し悲しい顔を見せた彼だったが、シェスリナはより一層怒りが増してしまった。

シェスリナ「・・・ちょっと、そこから降りてきなさい。お仕置きよ」
ルーミア「お仕置きってリナックマ?おお、怖い怖い」
シェスリナ「私は今本気で怒ってんのよ!勝負よるみみん!あんたの目、覚まさせてあげるから!」

目を真ん丸とさせて驚いた表情する彼だったがすぐに悟りジェムを解放し変身した。

ルーミア「そー怒るなって『かーちゃん』。真剣に潰してやるからよ」

シェスリナ「あんたたち!」

シェスリナは叫ぶように今優先しなければならないことをメンバー全員に託す。

シェスリナ「いい?今すぐ陽刻楼へ行きなさい!私はこのバカをしつけとくから」
クルセィ「だg」
シェスリナ「文句言う奴はリナックマの刑!分かったらさっさと行く!」

シェスリナを止めてもいつかは対決してしまう日が来ることを悟ったテレリは彼女を信じて、言われた通りに陽刻楼へ向かった。

全員が行ったと思われたが弱1名未だに壁や床に衝突して倒れている人物がいた。それに気づいたシェスリナは叩き起こして行かせようと足で蹴飛ばす。


シェスリナ「はぐみん!いつまで寝てんの!?あんたもさっさと行く!」


叩き起こされて訳がわからないといった表情を見せたが、何が起きているのか一瞬で悟り皆の後を追いかけるように屋上の出入り口へと急いだ。

バラージュ「い、いってきましゅ・・・」

ルーミアはそんな彼らを止めようとはせず、むしろ準備が整うまで待ってくれているようにも思える。屋上は静かになり、ここにいるのはsheth部部長のシェスリナと仲間を裏切ったルーミアの2人だけになった。

ルーミア「いいのか?皆行かせちまって」
シェスリナ「あんたなんか私一人で十分よ」
ルーミア「・・・そうか」


ルインティアたちは部長に言われるがまま学校を出て陽刻楼へと走る。しかし、メンバー一同1人屋上に残していったことが気がかりであった。

ルインティア「リナさん大丈夫でしょうか」
クルセィ「あいつが行けって言ったんだ。俺らはその通りにやればいいのさ、時間なんてない」

テレリはジェムの魔力で目の前にウインドウを開け本部からの魔獣の位置を確認したところ先程よりも多くの魔獣が中心に向かって移動している。しかし、魔獣が出たはずならば空模様は次第に悪化し雷が落ちることもあるはずなのに今回はそれが全くないことに違和感を感じていた。

テレリ「魔獣の気配が多くなってきています。このままではこの町も世界も終わってしまいます・・・!」

世界が終わる。そんなことだけはなんとしても避けたい吸血鬼は今何をすべきか考え始めた。

バラージュ「!みんな伏せるんジャイ!」

バラージュが何かに気づき、皆に伏せるように言い放つ。伏せていると氷の破片が次々にこちらに向かって飛んでくる。伏せていなかったら今ごろ全員破片が身体中に突き刺さっていただろう。

破片の正体は小さい1人の少女だった。綺麗な白い肌に白いフリル付きのミニ浴衣を着ているその姿は正に“雪女”と呼ぶに相応しかった。

テレリ「・・・・深雪さん?」

話しかけても返事はなくただ、氷の破片を周りに作り出すだけだった。

深雪「陽刻楼へ行きたかったら私を倒してからだよ」
テレリ「何をいって」

ルインティアがみんなの前に出る。

ルインティア「皆さんは先に行っててください・・・ここは僕が引き受けます」

ルインティアは頭上にアイススピアを作り出し戦闘態勢に入る。

クルセィ「一人で大丈夫か?」
ルインティア「大丈夫です。終わり次第すぐに追いかけますので早く陽刻楼へ」

ルインティアがそう言い終わるとメンバーは彼を信じ再び目的地まで走り出す


ルインティア「さぁ・・・始めましょうか」

深雪は嬉しそうに笑い、そして構える。

深雪「・・・一回あなたとやりあってみたかったのよねー。いいよ、相手してあげる」


つづく.....
スポンサーサイト

THEME | GENRE 小説・文学 |
*Noir Papillon* | TB : 0 | CM : 0 -

COMMENT LIST



COMMENT



COMMENT FOAM

SECRET
 




TRACKBACK

TRACKBACK URL to this Entry