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第42話 蝶ノ帰還 
今回も前回に引き続き妹の心境を描いた。

40話で一部、誰かの記憶なのか映像の描写がありましたが今回はそれを詳しく描いてみた。
この設定は小説を書こうと思った当初なかったものである。
小説を書いているうち、さまざまなものが頭の中で構成されていった。
そして、言葉で表現するのが大変難しいものであると改めて実感したのだ。

言葉というものは難しい。特に日本語は地域によって方言もその言葉の意味も違ってくる。
「日本語」と言ってもたくさんの言葉が存在するため、私たち日本人でも分からなくなるときが多々ある。
だから、これから小説を書き続けていく中でどう表現すればいいのか分からなくなるときがあるだろう。
今までも何度もそういうことがあった。小説というものは私にいろいろなものを教えてくれる。ある意味、勉強になる。

さて、話を戻そう。
妹は姉の姿を見て、どう思ったのか。
2人の願いは何なのか。


もう分かる人もいるのではないのだろうか。

次回は新たに2人登場人物が出てくる。それは次回に詳しく説明しよう。



・・・私たちは亀裂の中へ入って、目の前に見えた景色は森の奥に建っている立派なお城。
でも、おかしいな・・・たしか森の外から見た時はなにも建物なんて建ってる雰囲気もなかったけど。

「・・・ここが私たちがこれから住むお家よ。」

こんな立派なお城で暮らすなんて夢にも思ってなかった。でもここ、何だか懐かしい感じがするんだ。なんでかわかんないけど・・・

お姉様の腕にしっかりしがみついて離れないようにしながら、ゆっくりお城の中へ入っていく。
中も綺麗で豪華な雰囲気。これからここでお姉様と暮らすんだ・・・なんだか夢みたい・・・///

お姉様が色んな部屋を通りすぎていく。ただ、1つのドアの前でピタッと止まった。
そしてドアノブに手をかけて扉を開ける。
扉の向こうには2人が寝られるくらいの大きなベッド、ドレッサーと、ソファー、クローゼットなどが置いてある。
・・・ここは、寝室・・・?
ベッドなどの家具は、殆ど黒であしらわれている。

お姉様は私をベッドの上に座らせ、私の横に座り肩を寄せる。

「・・・びっくりしたよね。ごめん・・・」
「お姉様、さっきから謝ってばっかり・・・。私はお姉様のこと嫌いになったわけでもないのに」

「ほんとに・・・?」

お姉様は私の目を見ながらそう問いかけてくる。

「・・・ほんとだよ。私、お姉様のこと・・・好きだよ・・・?」

そう言ったら目をうるうるさせて私を見つめる。
そして、私を無理矢理横にする。お姉様も続いて横になる。

「・・・燐・・・」

お姉様どうしちゃったんだろ・・・。ずっと泣いてるように見える。いつも、私を大切に思ってくれていつも私のために犠牲になって・・・

どうして?お姉様ばっかり、辛い思いして。神様は意地悪なの?どうしてお姉様にばかり、こんな・・・

私だって、お姉様の役に立ちたいのに・・・。少しでも私がお姉様を癒してあげられたら・・・。

私はお姉様の手に自分の手をそっと重ねて近くに寄り添う。

そしたら、流れてきた。

あの時の、記憶が――





―――『妹様、ここは危険です。一刻も早く避難を』

『いやよ!お姉様を置いて逃げられるわけないじゃないっ!』

『しかし・・・』

そうだ。あの時私は、ヤヨイと一緒にいて、お姉様が戻ってくるのを待っていた。
人間たちがなぜか私たちを殺そうと追ってくるから私たちは必死に逃げていたんだった。
でもあの時、お姉様は話し合いをつけてくると言って1人、人間達が住む村へ・・・

ガサガサ

誰かが近づいてくる。それは数人の足音のように右から左から聞こえてくる。
ヤヨイは私の手を引っ張って避難できる場所へ向かっていた。
でも、人間達が追ってくる。
どうしてこんなことになったのか・・・。今までのことは一体何だったのか・・・わからなくて涙が出る。もう、この森は戦場と化した。何もできないだなんて嫌・・・!
その時、私たちが走っている前から素早く何かが飛んできて私を通り抜けた。後ろから人間達の苦痛の声が聞こえる。鋭く尖った剣の音が聞こえる。

足を止め、後ろへ振り返ってみるとそこには人間達と話し合いをしているはずのお姉様が血塗れになって立っていた。手には人間の兵士達が持っていただろう剣を強く握り締めながら。

『なぜ・・・なぜですか!姫様!』

ヤヨイが喚く。だってそうだよ。お姉様はずっと「人は殺さない」「殺したくない」ってあれほど言っていたのに・・・。目の前にいるお姉様はその意志を貫くのを諦めた姿だった。

『もう・・・人間は信用できない。裏切ったのだ。我等を・・・』

悲しい目で言うお姉様は、独りぼっちになったみたいに見えた。

その時また新手が来る。

『・・・嫌だよ。嫌だ・・・こんな・・・っ』

もう我慢ができない。こんな結果になるなんて・・・信じたくもない。人間が裏切ったという事実に目を背けたかった。

『燐・・・。逃げなさい』

!お姉様・・・?

『なに言ってるのお姉様・・・。お姉様も一緒に逃げよ?』
『・・・貴女には生きてて欲しいから。早く、逃げて』

ヤヨイが私の手を引っ張る。どんどんお姉様から離れて行く。

お姉様は血塗れになりながら、人間を迎え撃つ。私は涙が止まらないままヤヨイに引っ張られる。

嫌だ・・・嫌だよ。
お姉様を置いていくなんて嫌・・・!



――何かに刺さるような音がした。それは後ろからだった。
振り返る。

お姉様が槍に刺されていた・・・

『お姉様!!』

お姉様は力なく後ろへ倒れていく。私はヤヨイの手を振り払ってお姉様の元へ駆け寄る。
その時、私に銃弾が突きつけられる。
私は初めての銃弾の痛みに耐えきれず前へ倒れていく。

『だめです、妹様!』

・・・ヤヨイの声がする・・・。
意識が朦朧として目の前がぼやけて見える。でも、お姉様を置いて行けない。

私は体を引きずりながらお姉様がいる方へ少しずつ近寄る。

『まだ生きてるぞ!息の根を止めろ!』
『ブリューナクを用意しろ!今すぐにだ!』

・・・ブリューナクは・・・だめ・・・っ
お姉様・・・

私はやっとのことで仰向けで倒れているお姉様の側にやってこれた。
お姉様の胸元に顔を近づかせそっと寄り添った。
それに気づいたお姉様がゆっくりと目を開ける。

『燐・・・、ごめ・・・んね・・・もう・・・一緒に・・・いこ・・・』
『・・・おねえ・・・さま・・・・』

男達の影がすぐ側まで近づき、そしてブリューナクを私とお姉様に突き刺す。

痛い・・・こんなに・・・痛いんだ・・・お姉様・・・無茶、しす・・・ぎ・・・

もう目の前が閉じようとしたとき、微かに綺麗な黒い蝶が見えた気がした。それを見るのを最後に、私たちは人生の幕をおろした。




**

記憶はそこで途切れている。
それで思い出した。私たちはこの時代にまた姉妹として生まれ変わってきたんだって。
生まれ変わっても性格も何も変わってない・・・。
私、どうしてあの時お姉様を助けなかったの・・・?助けようと思えば助けられたのに・・・

何も出来ないだなんて・・・そんなの・・・、嫌だよ

私の頬に一滴の涙が伝う。
それに気づいたのかお姉様が心配し始める。

「燐・・・?どうしたの?」

お姉様がそっと近づいて私の頬に手を当てる。それはとても優しくて懐かしく思う。
こんなに私を思って大事にしてくれるお姉様のことが大好き。
だから私もお姉様がそうしてくれるように、大切な人を・・・大好きなお姉様を守りたい。
守られるばかりじゃ駄目だから・・・



だから・・・私・・・・



「・・・お姉様」
「・・・ん?なに・・・?」
「私を・・・お姉様と同じ存在にして・・・」

私の言葉に驚いたのかしばらく無言になった。でも、私の頬から手を退けようとしなかった。むしろ優しく撫ではじめていた。

「・・・もう今の状態には戻れない。それに・・・・私は、貴女にそうなってほしくない」

・・・分かってる。お姉様ならそういうだろうって思ってた。でも私―――




「・・・・私、少しでもお姉様の役に立ちたいの。少しでもお姉様の気持ち、分かってあげたいから・・・」

お姉様は私をそっと抱き寄せて泣いていた。一人で抱え込みすぎだよ・・・。




しばらく、お姉様は泣いていた。泣き止んだ時、突然私を下にしてお姉様が私の上に乗ってきた。
そして、静かに顔を私に近づけてくる。やがてお互いの唇が重なりあう。
私の口の中に血が流れ込んでくる。その血は甘くてとても懐かしい味がした。
時間が経つことも忘れて私たちはしばらくの間、そのまま唇を重ね合わせていた。




お姉様・・・・大好き―――。

つづく......
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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