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第43話 呪ワレタ森 
今回は、新たに登場人物が2人出てくる。
この2人の立ち位置・・・・・、物語を読んでいるうちに分かってくるだろう。

この時代、まだ魔女達が絶滅していない頃。
至る所に魔女はおり、悪事を目論む者もおれば心優しく人々のために役に立っていた魔女もいた。

今回の話の中に、一人の魔女が出てくる。
この人物、皆がよく知っている人物に見えないであろうか?もし、そうなら嬉しく思う。

もう1人は前回の記憶の場面でところどころ名前があった人物である。
この人物も、誰かに似ているところがあるような雰囲気を漂わせている。

一体、この2人が誰なのか。皆は分かるだろうか?




――。ここは、かつて蝶の名を刻む者が棲んでいた森の中。
その時代、蝶と燐と名のる者がおりこの森は今よりは眩しすぎるくらいに輝いていた。
人間との交流を深め、互いを思いやり毎日が輝いていた時代だった。なのに

「・・・どうして」

ある日、人間たちが裏切った。和平を唱え争わないように、憎み合わないように交流を深めていたはずなのに。
我等を化け物だと罵った。
そしてブリューナクが弱点だと知った人間達が同族を殺していった。我らにとって、ブリューナクが放つ光は毒になる。だから、決して死なない我らの種族でもその光を浴びてしまえば死に至ることがある。
私はかろうじて生き残ったが、一人は寂しいものだ。
だが、一人でいるのも今日が最後だ。姫が目覚めた今、今度こそ私が守らなければならない。


―――。

1人の女性が森の中を歩いているのを、左目に眼帯を着け、背丈を越すくらいの綺麗な布を纏った魔女がその様子を伺っていた。
そして、魔女は木の枝から飛び降り、女性に高速で向かっていく。雷を手に纏い、女性に当てようと手を伸ばしたが女性は一瞬でその場から消えた。

魔女は静かに驚いて後ろへ振り返ったが、さっきまで気配がなかった後ろのほうから女性が短剣を手に持ち魔女の首へとかざす。

「――殺すぞ」

そう一言。しかしその言葉からは何も殺気を感じられない。
魔女は一呼吸置いて

「人を殺めるような性格には見えませんが・・・、私を殺したければどうぞお好きなように」

その言葉を聞いて女性は驚き、短剣を懐に戻し魔女から離れる。

「なぜこの森に?」

魔女が尋ねる。けれど女性は魔女を睨みつけ警戒している。

「お前こそ何の用だ」
「・・・この森に棲んでいる黒い蝶にお会いしたいと――」

魔女が言い終わる前に、女性はまた短剣をいつの間にか取りだし、魔女の首に正面から刃を向ける。それでも魔女はその場から動かず、ただ女性の目を見つめていた。

「別に、貴女の主人をどうこうしようだなんて思っていません。むしろその逆ですよ」
「・・・逆?」
「是非、私も仲間に入れてほしいのです。滅びた種族、人形《ムニェカ》に」

女性はゆっくりと短剣を引っ込めていき、もう一度懐におさめた。

この魔女・・・只者ではないな。
私のことも姫のことも知っているような身振り・・・。
しかも、強烈な魔力を感じる。
魔女というのはこんなにも強いものなのか。同じ人の形をしているとは思えん

「・・・なぜ知ってる」
「この眼で見たのです。貴女方の過去を」

あり得ん・・・。過去を覗くだと・・・?そんなもの今まで聞いたことなど・・・

「私には過去だけではなく、これから起ころうとしている未来まで見えてしまいます。あまり、この力が好きではないのですがね」

・・・一種の能力か?
左目を気にしながら話している様子からして、その眼帯の下に何かがあるということは間違いない。しかし、そんな能力を持っている魔女など今まで見たことも聞いたこともないが・・・

「それよりも、私は貴女が使っていた能力が気になるところですね。一体何をしたんでしょう?気配も何も感じられませんでしたが」

やはり、勘づいている・・・。
そこらにいる普通の魔女ではなさそうだ。

「・・・時間を止めて近づいただけだ。そんなに珍しいことか?」

魔女は大層驚いた。
そして、何かに気づいたようにすぐに冷静さを取り戻す。

「なるほど。貴女・・・時空の申し子ですか・・・」

さっぱり意味が分からなかったが、いずれにしろこの魔女は全てを知っているようだ。なら、警戒したところで何も解決もしない。
姫に会わせたほうがいいのかもしれん。

「あんた、名前は?」

「レヴィ・マギサと申します。以後、お見知りおきを」

名前を素直に言うってことは私たちに害意はなさそうだ。
これからお世話になるかもしれないな・・・。

「ヤヨイだ。よろしく」

自己紹介が終わったところでヤヨイは自分についてくるように促す。魔女レヴィは、ヤヨイの後ろをゆっくりゆっくり離れないようについていった。




**


――その頃の村の様子はというと。巡回係りの村人達が所々で松明を持ちながら、辺りを見渡す。


「大変だ!外に、魔女、いや化け物だ!化け物が現れたぞ!」

生き残った村人数人が帰ってきた途端、大声で村中に知らせる。
その声に驚き、寝ていた一部の人達が家から出てくる。そして、同じく「何事だ」と松明を持った村人達が一斉に一ヶ所に集まる。

「あれは化け物だ!外で3人やられたんだ!」
「落ち着け!その化け物の特徴を教えろ」

村人数人は思い出すと震えが止まらないようで、かなり怯えていた。

「お、・・・女だよ・・・。だが、人間の女に、なりすましてる・・・あ、あれは化け物だ・・・!」

その話を聞いて村人達は驚いた。なぜなら、巡回していた村人たちも同じようなものを見たと言うのだ。

「こっちでも見たぜ?女の人影で俺達を見るなりどっかに行っちまったが・・・」
「なんだと・・・!?」

話が矛盾しているのではないのかと目を覚ました村人達は不思議に思い首を傾げる。
揉めている最中、どこかで草が風も吹いていないのにカサカサと音を立てた。

村人達は不思議がって同じ方向を向く。そこには全身ボロボロで力なく歩いてくる少女の姿があった。だが、よくみると目は金色に光り手と足の爪は鋭く伸びている。その姿に怯え、松明を持っていた村人が火縄銃に持ち変え少女に向かって放ったのだ。
少女は肩に銃弾を受けよろけるが、男は銃を撃つのをやめない。何発も何発も少女に向かって放つ。その度に少女がひるんでいく。足に腕に、銃弾を受けていく。
男は弾が無くなっても混乱しているのか撃ち続けようと別の火縄銃に持ち変えようとするが、少女は察したのかその場から後ずさっていった。やがて姿は見えなくなった。









――どうしてだ。どうして誰も俺を見てくれない。どうしてだ・・・!



少女は涙を流しながら力なく林の繁みの中を彷徨っていた


つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
*Noir Papillon* | TB : 0 | CM : 0 -

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