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第49話 黒イ影 
更新が遅れてしまい、大変申し訳ない。
第49話、白いウサギのお話の続きである。

次回くらいから、最後の一人の物語を書く予定である。
物語と言っても、どのような描写になるのかは今のところ定かではない。

皆はウサギと聞くと、何を思い浮かばせるだろう?
私は雪の中で過ごしている真っ白なウサギが真っ先に思い浮かぶ。
赤い目に白い毛並、その姿は猫のように愛らしくとても可愛らしい。大福のようにも見えてしまう。

だが、この物語における白ウサギは拷問、暴行を受け他人を信じることができなくなってしまった少女なのだ。
この白ウサギはロアの心の奥深くに眠っている狂気、憎悪そのものなのである。
この影響から彼女は二度と純粋な普通の少女には戻れなくなってしまった。一生このまま白ウサギとして生きて行くことになる。

そんな彼女を見守りつつ、これからの物語を読んでいってほしい。



「・・・どうやって入った!?」

「貴女が余所見をしている間に」
「ふざけるなッ!」

少女は綺麗な女性2人に向かって銃弾を放つ。しかし



今度は自分の近く、後ろから気配を感じた。耳元で小さくあの女性の声がするのだ。女性は少女の肩にそっと両手を乗せて

「駄目よ、そんなに取り乱しちゃ・・・」

と囁いた。
少女は怖くなり後ろを振り返り銃を向け発砲した。しかし女性の姿はない。先程立っていた場所へ戻っていたのだ。少女は慌てて振り返る。



(この女性2人が人間じゃないにしろ)

「もう誰も信じないっ!お前も私を殺そうとしているんだろぅ!?」

また少女は銃を構える。いつでも発砲できるよう人差し指は引き金にスタンバイ済みだ。
それでも姫は怖がろうともせず少女の元へ歩き出す。ゆっくり、ゆっくりと

「・・・可哀想な子。疑心暗鬼に囚われて真実が何も見えなくなってしまったのね・・・」
「うるさいっ!アタシに、同情するなぁ!!」

姫は歩くのを止めない。
かまわず少女は発砲する。


銃弾は姫の眉間ど真ん中を貫いた。衝撃で姫は仰いでいる体勢になった。

「キャはは!私を殺すことなんて誰にもできない!」

真っ赤な瞳が見え隠れする。
普通の人間ならその赤さや容貌から恐怖が沸き起こってくるだろう。しかし、姫の後ろにいる燐は姉のことを見つめている。少女の狂気なんてこれっぽっちも感じていなかった。

「お姉様、大丈夫?」

淡々と聞いている燐に少女は少し怯えた。
すると、天井を見上げている体勢の姫がゆっくり顔を前へと戻し始め、眉間に手を当てる。

「・・・痛い・・・。大丈夫よ、燐。心配しないで」

眉間から手を離すと、銃弾がポロッと落ちた。撃たれたはずの場所は何も無かったかのように傷ひとつない。
それを目撃したロアは恐くなりまた銃弾を発砲しようとするが、弾はもう撃ち尽くしてしまったのか空になっていた。そうだと分かっていても彼女は必死にトリガーを引いている。

その間、姫はゆっくりとロアへ近づきそしてもう手が届く位置までやってきていた。

「く、来るな!」

必死に抵抗しようと後ずさりするが壁に背を向けていたため逃げ道がない。
姫はゆっくりと少女の頬へ手を動かす。

少女は目をつぶった。
目をつぶっている間、頬に何かがそっと当たった。ゆっくり目を開ける。
姫が優しく撫でていたのだ。
少女は姫の顔をもう一度見る。
悲しむような目で自分を見つめていた。

そして姫は乱れた髪を触り、髪で隠れていた右目を見た。
彼女には右目がなく、穴が空いた状態だった。やはり処置は適当にされたようで酷い傷が残っていた。

「あなた・・・右目がないのね。可哀想に・・・」

姫が静かに口にする。
少女は驚き、そしてどうして目がないのか語り出す。

「・・・いつだったか、怪しい男たちに連れ去られ、暴れないよう手足を縛られた。そのまま右目を抉りとられた。何の処置もしてくれなかった。どうしてこんな目に合わなきゃいけない?アタシ、何か悪いことでもしたの?」

姫はそれを聞き、強く抱き締めた。

「いいえ、貴女は何も悪くないわ。もう苦しまなくていいの。私は貴女を助けに来たんだから」

少女は涙を流した。そして変色していた髪と瞳は元通りになっていく。それをみて燐も安心した様子だった。


「姫様」

その時声がした。
振り向くとそこにはレヴィとその後ろからひょこっと顔を出しているエコーの姿が在った。

「レヴィ、この子とエコーを連れて城に戻ってくれる?」
「畏まりました」

姫はロアをレヴィの元へ預ける。亀裂を創り、その黒い穴の中へ入っていこうとするのだが

「待って・・・!」

エコーがそう言う。
その言葉に、全員がその場に立ち止まる。

「どうしたの?」

姫が尋ねるとエコーは悲しい顔をして

「レオを、助けて・・・!」

あの黒猫のことを言っているのだ。エコーはやはり、殺されてしまった動物達が気がかりなのだ。
その言葉の意味を姫はいち早く理解した。そして、頭を撫でる。

「生き返らせてあげることはできない。でも、式神としてならば助けてあげられるわ。それでもいいなら・・・」

姫の言葉に目を輝かせ泣いている。そして姫が言い終わる前にエコーが

「なんでもいい!レオを助けられるなら、お願い!」

エコーの返事を聞いた瞬間行動を開始する。
レヴィにロアを連れて城に戻るようにいい、姫と燐、エコーは先程の町へと戻る。
あの町自体が消えてしまったのと同然なのだが、それでもエコーは自分が飼っていた猫だけでも助けたい思いでいっぱいだった。

姫があの町に繋がる門を開けてくれたおかげですぐに到着できた。目の前に映し出された光景は、辺り一面血まみれになってしまった聖杯の近くだった。
あまり直視しないようにエコーに言いつけ、姫は穴の中に放り込まれていた黒猫を魔法で穴から出し血がついていない場所へそっと置いた。
そして黒猫を中心に魔方陣を描き、懐から紙切れを出す。
それを黒猫に乗せると、猫がその中へ吸い込まれていく。
黒猫の姿がなくなり、一枚の紙切れだけがその場に残った。
それを拾い上げ、エコーに渡す。

「あなたの黒猫ちゃんを式神にしたわ。これでいつでも一緒にいられるわよ」

エコーの手に渡った瞬間、紙切れは次第にキラキラ散っていき、そのひかりが1つの小さな形を作り出す。
それは他でもないエコーが飼っていた黒猫である。
エコーは泣き、レオを強く抱き締めた。その光景を見ていた姫と燐は安堵の表情を見せる。
用事を済ませた所で、彼女たち3人は城へと戻っていった。

その時、倒れていた怪しい男が立ち上がったのは誰も知らない。


つづく.....
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