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第51話 精霊ト蜘蛛 
更新がまたもや遅れてしまい、申し訳ない・・・。

今回は夜が明けた翌日のお話である。
数回に分けて書いていくつもりだが、そろそろ時間を何年後かに進めたいと考えている。

時間を進める前に、アビスとエコーのふれあう場面を何度か書いておこうと思い、このような形にした。
これから更に更新のスピードが遅れていくかもしれないが、そこはご理解いただきたい・・・w




翌日

太陽の日差しが雲の間から降り注ぎ、城を守るかのように蝶が舞っている。


姫の体調は優れず今日は一日休憩日和。

蝶姫は力を使いすぎてしまったのか、疲れてしまっているため燐が面倒を見ている。
姫が眠っている最中、ヤヨイは家事全般をこなし、レヴィはロアの様子を見に、エコーはレオの面倒を見、アビスは一人中庭で黄昏ていた。

ヤヨイは家事を終え、見回りに向かう。全ての部屋を掃除しにいき、姫達には飲み物を持っていく。全ての用事を終えて中庭の様子を見に外へ出る。
外に出るとアビスが真っ先に映った。
たった一人でその場に座り、蜘蛛を人差し指に止まらせてそれを眺めていた。

「大丈夫そうか」

そう呟き少しホッとしたようだ。中へ戻ろうとした時、何かアビスとは違う気配を感じ取った。
それはゆっくりこちらに向かってくるのだ。
アビスは警戒し、爪を鋭く伸ばす。

ガサガサ・・・ガサガサ・・・


草むらが風もないのに揺れている。この近くに何かがいる・・・。


やがて、人影が見える。
姿が少しずつくっきりと目に映る。

背丈は丁度アビスよりも小さめなその影は城に着いた途端、力尽きたかのように前へ倒れた。
それを見てアビスは警戒体制を解き、小さな影に近寄る。
ヤヨイも少しずつ近づく。

目に入ってきたのは、子供だった。服はボロボロに引き裂かれ、身体中傷だらけだった。髪は酷く乱れ、肩には何かが刺さった痕があり、血が乾いていた。

「こいつ、まだ生きてる。治療すれば助かるかもな」

アビスの言葉に突き動かされたように、ヤヨイは子供を抱き抱える。顔にも傷跡がいくつかあり、息は荒れ苦しんでいる。

「来たのですか。もうそろそろとは思いましたが、予想より少し速かったですね」

後ろには気づかないうちにレヴィが立っていた。

「この子は・・・・」
「その子が最後の蝶。セトという女の子です」

それを聞いてからもう一度子供の顔を見る。まだ苦しんでいるその姿を見ていられないヤヨイは抱き抱えたまま立ち上がり、急いで城の中へ戻ろうとする。

「レヴィ様は姫様に報告を。私が面倒を見る」
「分かりました」

返事を聞き終わるのと同時に彼女は急いで部屋へと連れていく。



レヴィはゆっくり姫たちの寝室へ向かう。
アビスは中へ戻ろうとはせずまた同じ場所に座り込んだ。

その様子をエコーが見ていたとは気づかずに。







「大丈夫?お姉様」

その頃の姫たちの様子はというと、燐が姉に水を飲ませ横になるようにいい、妹も一緒に横になっているところだった。

「・・・・・・うん、少しはよくなったわ・・・ごめんね、迷惑かけて・・・」

燐の顔を見ながら、優しく微笑み頬を撫でている。
そのせいか燐の顔は真っ赤になっていたがそれでも彼女は自分の思いを伝える。

「何も迷惑じゃないよ。私はお姉様に早く元気になってほしいし・・・ゆっくり、休んでほしいの」

それを聞いて、姫は妹を抱き寄せる。

そして、燐の耳元に近づき囁く

「・・・愛してる・・・燐・・・」

燐は一層赤くなり、顔から湯気が出ている。

「・・・あら・・・、やり過ぎちゃったかしら・・・かぁいい子ね・・・」
「にゃぅ・・・」

本当にわかりやすい子ね・・・。私の可愛い可愛い仔猫ちゃん・・・

「あ、あんまり無理しちゃダメだよ?皆心配してるんだから」

無理に話をそらそうとしている。それを見て優しく微笑み「ありがとう」と呟いた。


その時、ドアをノックする音が聞こえる。
「どうぞ」といい、姫は中へ招く。そこにはレヴィが立っていた。「失礼します」と言い、用件を言う。


「最後の蝶がここへ」
「分かってる。ヤヨイが今手当てしてるのね?」
「・・・さすがですね。私がここへ来ることも把握済みですか」
「蝶は何でも知ってるのよ」

笑顔で語る姫にレヴィは優しく微笑み返す。
燐は姫の衣装をクローゼットから持ってくる。
黒いワンピースに少し黒ずんでいるような白いフリルが付いており、袖は寒くないよう長袖の物を選んできた。

「これなら寒くないし、着替えやすいでしょ?」
「ありがと、それでいいわ」

姫は服を受け取り着替え始める。しかし疲れているのか指が思うように動かず苦戦。
燐が背中のファスナーを閉める手伝いをし、前にある蝶の飾りを整える。

その光景を優しく見守るレヴィ。その表情はまるで母のように優しく、暖かさを持っていた。

「お待たせ、行きましょうか」





**

アビスはまだ黄昏ていた。その場から動こうとしない。
エコーは音を立てずにゆっくり近づく。
そして、後ろから声をかける。

「・・・アビスちゃん」

名前を呼ばれ、慌てて振り返り目をギラギラさせるがエコーが怯えていることに気づいてすぐに警戒を解いた。

「・・・ッ・・・すまない、なんだ?」
「え、あ、いや・・・・ここで何してるのかと思って・・・」

アビスはエコーをしばらく見つめていた。そして、答える。

「・・・蜘蛛探し」
「蜘蛛?」
「聞いてないのか?俺について」

エコーは首を振ったりはせず、ジッとアビスの目を見つめている。それが2分くらい続いた。
アビスは気まずくなってしまい、頭をかく。

「えーっと・・・」

頭を掻きむしっていると、エコーはアビスの前に座り込む。

「あの人から確かに聞いたけど、確信が欲しかった。目を見たらわかるよ。あなたは『人の姿をした動物』の一種だって」

エコーの言葉に核心を突かれ驚いたが、すぐ表情は穏やかになる。


「そうさ、俺は蜘蛛の子。女郎蜘蛛の化身さ。俺と一緒にいても何も楽しくないよ。あまり俺に近づいちゃダメだ。まだコントロールが難しいんだからな」

アビスの言葉を聞いてもエコーは顔色ひとつ変えずやはりじっとその場に座り込み、アビスの顔を見つめている。
微笑みながらエコーは静かに言葉を発する。

「・・・わたしは、あなたのこと嫌いなわけじゃないよ。もし・・・、よかったらお友達にならない?」












・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・


「・・・・・・・・・え・・・?」


つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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【】 by トナカイ


更新来た・・・!
エコーの不思議っぷりもさることながら
最後のアビスがかわいいw



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2013/10/12(土) 09:13:49 | | # [ Edit ]
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2013/10/12(土) 09:11:42 | | # [ Edit ]
【】
更新来た・・・!
エコーの不思議っぷりもさることながら
最後のアビスがかわいいw
2013/02/28(木) 04:26:09 | URL | トナカイ #- [ Edit ]


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