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第55話 銀影ノ眼 
おまたせいたしました。
第55話、更新です(`・ω・´)

前回の続きのセトとヤヨイの修行シーンから数日前何があったのかの出来事のお話。
そろそろこの時代の話も終わらせて次の時代のほうに移りたいんですけどねぇ・・・・w

今回と次回はセトの過去に関係する話です。
この話が終わったらまた時間を大幅に進めて次の時代に行きたいと思います。


では、本文へどうぞ




**
※小説更新についてのお知らせ
今週から忙しくなるので更新が全くできないor遅れる可能性が高くなります。
全くできない場合、話していた通り新しくサイトを作ろうと思います。
ご理解の程よろしくお願いします。



その後、セトはヤヨイの指導の元、修行に励んでいたのだが

「休憩だ、休め」
「・・・もう・・・?」
「適度に休まなければ。いつ倒れてもおかしくない」

先ほど休憩し、修練を再開したばかりだというのにまた休憩しろというのだ。
どうしてそんなことを言うのかセトは分からなかった。だが、どれだけ言い張っても無駄だと気づいたのか、ヤヨイの言う通りに体を休めるのだった。

椅子に座り込み、紅茶を淹れてゆっくり味を味わう。その度に時間だけが過ぎていく。
しばらくそんな状態が続いた。
黙々と時間が過ぎる中、ヤヨイがいきなり話をし出す。

「随分、頭がキレるようになったな。驚いたぞ」

ティーカップを持ち、紅茶の香りを漂わせながら先ほど思った事をセトに言うのだ。
返事に困ったのか首を何度も傾げる。

「・・・そうかな・・・?」
「お前は有能だ。何も教わられなくてもお前なら一人前としてやっていけるのに」

それを聞くと、セトは悲しそうな目で

「・・・何も知らないまま、過ちなんて犯したくない」


セトはヤヨイから「修行は終わりだ」と言われていると受け取ったのか、本当の気持ちをゆっくり、ゆっくりと告げる。

ヤヨイは数日前にあったあの出来事を忘れてはいない。




~数日前~

「・・・影賊《カーティル》が?」
「はい、どうやら影賊《カーティル》がただの何の力も持たない人間どもと手を組んだようです」

玉座の間でそんな会話が聞こえてくる。
話をしているのは蝶姫とレヴィだ。姫は椅子に座り、その前でレヴィが立っている

「効率狙いか。しかし、馬鹿な奴らだ。我らに勝てると思っているのだろうか」
「多少は思っているのではないのでしょうか。でなければ人間と手を組んだりなどはしないでしょう」

そう聞き、姫は俯き小さな声で

「・・・・・・馬鹿馬鹿しい・・・」

と呟く。レヴィも意見は同じなのだろう。彼女は姫とは正反対に満面の笑みを浮かべている。

少し間をおいて様子を窺う。

「・・・いかがなさいます?」
「迎え撃つ。皆に伝えてちょうだい」
「畏まりました」



**

4人は大広間でそれぞれ寛いでいた。
そんな中、レヴィはロアに伝えたのだろう。ロアの口から今起きていることを告げられる。

「・・・影賊《カーティル》?」
「何でも人間と手を組んだとか。よっぽど死にたいのかしら」
「・・・・・・・・」
「思う存分暴れるね」

影賊《カーティル》という言葉を聞いてセトは俯いたままなにも言わなくなってしまった。
彼女にとって影賊《カーティル》は自分の最大の敵だからである。

「そうでもないぞエコー。こっちに来てるとなりゃ今頃こんなところで寛いでるわけにもいかねぇだろ」
「あ、それもそっか・・・」

セトは他の3人の話を聞いているだけで会話の中に参加しようとしない。
アビスはエコーとの会話を落ち着かせた後、話をもとに戻すように言う。


「それで、ちよはなんて?」
「“迎え撃つ”だってさ」

返事を聞き終わると同時にアビスの目は黄色く輝く。
この間に城の外、中、人間の住む村など至るところに蜘蛛を配置につかせる。

「・・・了解」







「・・・セト・・・」

エコーが心配し、何も言わないセトに話しかける。
その声に反応し顔を上げる。
その場にいた全員がセトに注目する。

「大丈夫か?嫌なら無理して殺らなくていいんだぜ?」
「・・・休んでたほうが・・・」

皆が心配していることにセトは申し訳ない気持ちになったのか静かに目を閉じる。
しばらく間を置いてから目を開き口が動いた

「・・・・私、殺る。自分で決着をつける」

『影賊を自分で滅ぼす』とセトは言っている。その言葉の意味を全員が理解し微かに微笑んだ。

「俺たちは何にも手出ししねぇから安心しな」
「あんたの力、馬鹿な人間どもに見せつけてやればいいのよ」

理解してくれていることにありがたみを感じ、感情をあまり周囲には見せないセトも静かに微笑む



**


その様子を暗い暗い玉座の間で姫が魔方陣から見ていた。

「セトも強くなった、試してみる価値はありそうね」

姫が座っている玉座の後ろにヤヨイとレヴィが立っている。
レヴィは水晶玉から敵の行動を先読みし占いの結果を知らせる

「今夜中にはここへ」
「・・・伝えなくてもアビスなら気づくはず。彼女たちの実力もこの機会に確かめておくとしましょうか」

暗い部屋の中、姫の紅い瞳だけが不気味に輝いていた。










しばらく同じ場所で寛いでいた彼女らだったが、アビスが何か感じとり注意深く蜘蛛を通して周囲を見渡す。
すると遠くから怪しい人影が数人、こちらに向かって歩いてくるのが見えた。
すぐに全員に状況を伝え自分達の持ち場につく。

ロアは城の出入り口の上に。アビスは中庭にある木の上に、エコーは出入り口付近、セトは出入り口の真正面で待機している

しばらくして、数人を連れて影賊《カーティル》がやってきた。正面に女性が立っているのに気づき警戒する。

「誰だっ!」
「・・・・・・」

セトは黙っている。だが、ただ黙っているわけではない。目はギラギラに影賊《カーティル》達を睨み付けている

その行動に腹を立ててしまったのか後ろにいる数人に声をかけ、セトを始末するように呼び掛ける。次の瞬間、セトは囲まれてしまった。四方八方から飛び道具や蹴りが飛び交ってくる。

その攻撃を軽々と避けては相手の首や腹、頭や足を狙い足や手で攻撃し相手は一人だけを残して瀕死状態になった。

「・・・まさか、お前・・・」

敵の声は震えている。信じられないのだろうか、その顔は酷く怯えている。

「・・・弱い。こんな弱かったかな・・・」

セトはこの場にいる全員に言い聞かせるように呟く。小さく呟いているはずの声は辺りに広く響いている。

「50年前に逃げ出した・・・あのセトか!?」
「・・・先輩、お久しぶりです」
「なぜ・・・老けていない・・・!?それに、声も目も・・・!」

50年が経とうとしているのにも関わらず、姿はあまり変わっていない。それどころか喋ることも前を見ることもできなかったはずなのに今ではそれが出来ているのだから誰だってあり得ないことだと思うだろう

「治してくれた。蝶様のおかげでもう何も苦しくない」

治すのは不可能に近かったはずなのに治っていることに驚きを隠せない

「訳の分からねぇことを言ってんじゃねぇ!」

男はセトに攻撃を仕掛けようと、正面から瞬間移動しながら接近するが

「・・・調子に乗らないでよ、人間のくせに・・・」
「・・・・・・弱そう」

もう少しで少女の喉元に刃が突き刺さろうとしていたのをロアとエコーが男の動きを止めた。それを目の前で見ていたセトは顔色1つ変えていない。ずっと男の顔を睨み付けている。

「・・・私一人で十分。2人は下がってて」

セトの言葉を聞いた瞬間、2人は言われた通り後ろへ飛び下がった。アビスはじっと木の上から様子を見ている。

男は自由になった瞬間、後ろに下がり今度は自分の影をいくつも作りあげ、一目見ただけではどれが本物なのかわからなくなってしまった。が

「・・・そんな程度?本気で来たら?」

そう言った同時に本物の影に短剣を投げる。急所からは外れたものの、それは左腕に深い傷を負わせた。痛みで声をあげた男だが、左腕を押さえてそのまま堪えるようにして立っている。

セトは手で五芒星を描き、それが魔方陣になるとそこから鎖がじゃらじゃら音を立てながら出てきた。それを右腕に巻きつけ右手で余った部分を持ち、かつての先輩を睨み付ける。

「・・・先輩、よく私に言ってましたよね?影賊《カーティル》の心得」

セトは勢いよく上に飛び上がり、鎖を操る。

「ひとつ、任務は迅速に。ひとつ、心を無にすべし。」

男は手裏剣を空中に向けて投げつける。セトは間近まで来た手裏剣を腕に巻きつけている鎖で弾き返した。
鎖はセトを囲む縄のようにその形を変えていく。

「ひとつ、真の闇を忘るべからず」

鎖はさらに変化する。闇を鎖に叩き込み、黒い稲妻が走る。

「ひとつ、裏切る者には制裁を」

一層顔つきは険しさを増し、いい終えて一拍置いたあと鎖は目にも見えぬ速さで男に絡みつきそのまま締め付けていく。
苦痛の声が響き渡る。だが、攻撃はこれだけではない。
締め付けたままセトは鎖に魔法をかけ、それは導火線のように伝っていく。それが男の体に触れた途端、爆発し男は骨も残らず粉々に砕け散った。


“気”がなくなったのを確認すると、鎖を魔法陣へ戻し後ろへ振り向く。
3人が固まってセトを見守っていた。
セトは3人がいるほうへ歩いていき、向かい合う。


「・・・あいつら、まだ諦めちゃいなさそうだ」

アビスが金色の瞳を光らせながら全員に聞かせるように呟く。
セトは俯き、その言葉の意味を理解した。

「こんなに倒してるのに!?」
「あれから50年も経ってる。昔より遥かに勢力は増してる、これじゃあキリがねぇな」
「・・・懲りないやつら・・・」

自分の故郷が昔と今と変わってしまっていることに腹を立てているのかセトの拳は強く握ったまま震えている

「・・・どうする?セト」

アビスに尋ねられて顔を上げたが、目はいつもより増して怒りが満ちている様子だった。

「私が直接この手で決着をつける!誰も手だししないで!」

あまり表に感情を出さないセトが怒った瞬間だった。










姫は玉座に座り足を組み、肘をついた体勢で魔法陣で4人の様子を見ていた。そんな姫にしがみつくように燐も一緒に見ている。

「・・・面白くなりそうね」

燐は姫の顔を見て様子を伺っている。それに気づいたのか姉は妹を抱き寄せ頭を優しく撫で始める。燐の頬は赤く火照りそのたびに「にゃー」と気持ち良さそうな声を出している


「楽しみだわ」


不気味な笑みを浮かべながら姫は魔法陣を見ていた


つづく......
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