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第68話 事件ノ発端 
ある日、国王の妻である王妃は一人の子供を授かる。生まれた子供は元気な女の子。
王妃は娘を姫に即位させ、国と世界の復興を願っていた。

だが、娘は次第に壊れていく。発狂したように、次々と使用人を闇に染まらせ、国を支配してしまう。
王妃を殺害し、国を統べるのは闇に染まり意識を失くした姫一人・・・・。








ある時、一人の姫が国を支配した。
その事件の発端の真実はここにある。


1人の少女が大切な人を守りたいがために、彼女は闇に染まっていく。
それは、どうあがいても逃れられない運命。




サフィラから連絡があった。
用件は一言だけ

『今すぐ城へ来てください』

姫の身に何かあったことは明確だった。私は急いで城まで飛んでいった。

姫の部屋に直接出入り口を繋げて亀裂を出た瞬間サフィラの声がした。

「来ましたか。早かったですね」

ゆっくり顔を上げる。
目に飛び込んできたものは

サフィラの瞳は赤く輝き、額には今までなかったであろう蝶のような形をした薄い紫色の紋様が刻まれていた。
その後ろに変わり果てた姫様のお姿があった。

「では作戦を開始しましょうか」










玉座の間では王妃と側近の者達が燐姫と地下の封印が解かれた原因を繋ぎ合わせていた

「・・・・・・・そう、あの子が・・・・・犯人なのね」
「恐らくは・・・・」
「ならば、早急に始末しなければなりません。吸血鬼の者たちに連絡を」
「はっ」

王妃がそう命令を下し、黄昏ているとどこか遠くから悲鳴が聞こえてきた

『ああああああああああああああああああああああああ!!』

「な、何だ・・・・・・!」
「・・・・・・何事です・・・!」
「だれか、様子を見に行って来い!」








『一緒に行こう・・・燐』

・・・お姉ちゃんの声がする。
でもどこか大人びていて私の知ってるお姉ちゃんとはまた違う人物の声。

『ずっとこのまま時間なんて止まってしまえばいいのに・・・』

・・・この声は・・・私・・・?
あぁ、こんなこと言ってたんだなぁ・・・

そうだよ、時間なんて進まなくていい・・・。このまま止まってしまえばどんなに楽か・・・

『何があってもずっと一緒に・・・』


・・・何があっても・・・。
お姉様の声、温かい・・・


『化け物!!く、くるなぁっ!!』
『息の根を止めろっ!』


いや・・・イヤイヤイヤイヤ
なんで?どうして?

許さない・・・絶対に許さない!






・・・・・そうだよ





・・・・・・私は人間が許せないんだ・・・










城内では姫が行動を開始。
サフィラは外へ、黎音は見張りにまわっていた。

姫は一人、片っ端から城内にいる全ての使用人達を従わせていた

「なんだ?今の悲鳴・・・」
「さあ・・・?」

玉座の間の門番をしている警備員2人は不思議そうに首を傾げていた。

「ねぇ」

気づくとその場には幼い姫が佇んでいた。声がした方向に慌てて振り返った2人は「なんだ、姫様か」とホッとしたあと気を取り直して姫様に言い聞かせる。

「どうされましたか?」
「・・・お母様に会いたくて」
「王妃様は今、大事なお仕事の真っ最中ですのでしばらく・・・」

「トオセ」

姫が瞳を赤く光らせ二人と目を合わせると先程の会話はどこへいったのか2人は「どうぞ」とあっさり通してしまった。

「・・・所詮はただの人間。こうしてしまった方が手っ取り早い」


姫は扉を開ける。
開くと同時に玉座に座り大きな杖を持っている王妃とその横にいる執事が警戒し始める。
扉が開ききったとき、はじめて自分の娘だと分かり少し安心する王妃。

「誰かと思ったら、蝶だなんて・・・。どうしたの?お母さんまだね、大事な仕事があるの。また今度一緒に遊んであげるから今は自分の部屋に戻りなさい」


「・・・大事なお仕事って、何?」

いつもより低めのトーンで質問する娘に戸惑いながらも知られないように隠しながら答える。

「将来に関わることよ。あなたは知らなくていいわ・・・」
「・・・そう」

しばらく沈黙が続いた。
時間が少し経ってから執事が王妃に耳打ちで知らせる
それを聞いた王妃は娘を見つめてから立ち上がり

「時間だから、お母さんは仕事に行ってくるわね」

いつものように接する母親に嫌気が差した姫はこの部屋全体を結界で閉じ逃げられなくした。
それに驚いた王妃は酷く慌てる。

「これは一体どういうことです!」
「わ、私ではありません!こんな巨大な結界魔法は見たことがございません!」
「じゃあ誰がやったっていうんです!!」

揉めている二人に近づきながら笑い始める姫。それに気づき振り返る

「・・・まさか・・・」
「ダメ、逃がさない。燐の元には行かせないわ・・・絶対に」














その頃、城の外では用心棒を頼まれた5人組はサフィラにとおせんぼされていた。

「なんだお前、私たちに何か用か?」
「はい、とても大事な用事があります」

「我ら吸血鬼に用事?」

他の4人も首を傾げる。サフィラは笑顔で

「よかった、吸血鬼の方達で間違いないようで」

笑顔でそう言われることに違和感を感じる吸血鬼達。
サフィラは低いトーンで

「じゃあ、本題に入りましょうか」






「どの世界へ生まれ変わっても燐を殺そうとされるだなんて、報われない運命なのかしらね・・・」

玉座の間は一部が血塗れになっていた。執事は既に息絶え王妃と黒く染まった姫だけが取り残された。
王妃は娘が使用人を殺したことに酷く怯えていた

「蝶!貴女正気!?こんなことしていいと思ってるの!?」
「ええ思ってるわ。燐を殺されずに済む一番簡単な方法。お母様が私に妹がいること、隠してたこと許さない・・・」

王妃は戸惑い始めて、身体を震わせていた。
娘が変り果て今にも殺されそうになっているこの状況を王妃は察し、逃れようと足掻き始める。

「それはあなたのためを思って言わなかった!どのみちあの子は処分しようと思っていt」




「そんなに死にたい?私そんなこと許さない。私の可愛い妹を簡単に呪いだなんて言わないで頂戴」




実の母親を見下ろしながら言う姫は、もう元には戻らない。





*
*
*


「しっかりしてください!!お願いです!目を覚ましてください・・・っ!」

シルバーブロンドの髪を背中まで伸ばした小さな少女は一気に仲間がいなくなってしまった現実を受け入れられず、涙を流し体を揺することを繰り返す。
吸血鬼は少女を入れてあと2人。どう見ても勝ち目などなかった

「吸血鬼も哀れなものですね。こんなにも呆気なく死ぬなど・・・とんだ期待はずれですね」

1人が怒りに任せて突撃する

「この野郎・・・・!よくも皆を!!!」
「駄目です!!行っては」

そう言った時にはもう遅すぎた。女性の身体中から血が吹き出す
倒れたところでサフィラが氷を召喚し突き刺したことで女性は即死。
とうとう1人になってしまった

「・・・貴女だけになりましたね、ラミアさん?」

少女の目の奥には激しい憎悪の炎が宿っていた。

つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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