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第70話 救済 
5話一気更新しました。
もう70話なんて、早いですね・・・・・w

これがもしかしたら今年最後の更新になるかもしれません。




その頃の黎音は城の門番をしていた警備兵を全て倒し、自分が門番になっていた
見回りをしている者や偶然通りかかった使用人に見つかると瞬時に黙らせるという作業を繰り返していた

「・・・飽きてきた・・・。本でも読んどこ」






吸血鬼は苦戦していた。
魔女は余裕の表情を見せたまま少女に襲いかかる

サフィラは親指と人差し指をわざと噛んで血を流したあと、その血が鞭のように固まり始める。
そして血の鞭を自由自在に操り少女に攻撃する
それを避けながら弓で魔法矢を放つ。
魔女は軽々と魔法矢を鞭で破壊する

「・・・その技。どうして貴女が使えるのです」
「さきほどそちらで倒れている方から奪わせて頂きました」

その言葉の意味を少女は理解できなかった。
サフィラは血の鞭を自分の指へと戻したあと、もう動かない吸血鬼の死体に近づき

「奪うとはこういうことです」

そういいながら、しゃがみこみ適当に倒れている吸血鬼の肩に手を置く。
そして、すぐに立ち上がり少女に向き直る。
向き直ると同時に今度は手から電撃を繰り出す。
それを見た少女は驚きの表情でいっぱいだった。

「・・・そんな・・・っ・・・、なぜ・・・?」
「言ったでしょう?奪ったと」

言い切った瞬間に再び少女目掛けて飛んでいく


中庭は火の海になっていた。

城内から中庭にかけて姫は邪魔な奴等を殺していく。
彼女はすっかり全身血まみれになっていた。
しかし、彼女の頭の中は燐のことでいっぱいだった。
真っ先に封魔塔へ向かい長い螺旋階段をゆっくりゆっくり登っていく




一方その頃の燐は

「・・・なに?焦げ臭い・・・」

今まで嗅いだことのない臭いで目が覚めた。
どうしてこんなに焦げ臭いんだろう。
どうして私はこの臭いを「焦げ臭い」って分かるんだろう
とても長い夢から覚めたような感覚だった。

そんな不思議な気持ちのまま、私は何の迷いもなしに小さい窓から見下ろすように下を見てみる

周りは火の海になっていた。
どうしてこんなことに・・・


「くそっ、どうなってやがる・・・っ!」

勢いよくドアが開く音と一緒に男性の声も響いた。
男性は私を見ている。

まるで“お前がやったんだろ?”と言うような目をしていた。

何かあるといつも私のせいになる。どうしてなの?分からないわからないわからないワカラナイ

「てめぇの仕業か?ああん?」

ほら。やっぱり皆して私のせいにする。何かあったら私だって言う。
何の根拠もないまま他人のせいにする。
なんでわたしばっかりこんな目にあわなきゃいけない?なんで?


誰か、教えて・・・

痛い。叩かれる、蹴られる、唾を吐かれる。
はは、やっぱり痛いや。
慣れたなんて自分に嘘ついて馬鹿みたい。

助けてよ。
誰か、私を助けてよ・・・・・・・・










その時、ドアから射す光のなかに女性の人影が現れた。
私には女神様に見えてしまうほどの安心感だった。

「!?なんだお前は」

男性が言い終わる前に血が飛び散った。男性はすぐにその場に倒れた。

その後、女性が私の目の前までやってきた。

「燐・・・」

優しく透き通るような声に聞き覚えがあった。
この声は―――

「・・・お姉様?」

そう聞くとすぐにしゃがみこんで私を包み込むように抱いた。
この温もり・・・忘れたりしない。紛れもないお姉様の温もり。

「よかった、無事で・・・」
「お姉様・・・その姿・・・」

私が知っているお姉様はまだ子供でいつも無邪気だった
でも目の前にいるのは私の知ってるお姉様じゃない。
全てが黒く染まったような姿をした1人の女性・・・

「血まみれだよ・・・。無茶しすぎ・・・」
「あなたを・・・守りたくて・・・」

お姉様は抱き締めたまま泣いていた。
しばらくそんな状態が続いた。
でも、外はまだ騒がしい。
その音を聞いた瞬間お姉様は抱き締めるのをやめた

「いつまでもここにいるのはまずい。おいで、一緒に行こ」

差し伸べられた手をとり、私は立ち上がる。
ここを出る前にお姉様が作ってくれた花冠を懐にしまった

何重にも張られている結界を一瞬で壊して、私たちは外へ出た。

私にとっては初めての外。
焦げ臭かったけど、外に出た瞬間今までにない解放感を味わった


つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
*Noir Papillon* | TB : 0 | CM : 0 -

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