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第72話 魔女ノ巣 
今年2回目の更新。






前回の鬱展開は本当に申し訳ありませんでした!!!!!!





って言っても、まだまだこの鬱展開は続きます。
とりあえず、次回はちょっとのほほんっていうシーンできるかなぁ?わかんないな・・




燐・・・・。私の可愛い妹・・・・。
お風呂に入れて綺麗に血を洗い流して、それから傷口を塞いで・・・・・

眠っているこの子の顔を見ていると、とても愛おしく思う。
もう、すっかり冷たいはずなのに。まだ生きているんだという錯覚に陥る。

綺麗にして身体を拭いてあげて。それから燐のために用意していた部屋へ行って寝かせてあげた。
新しいお洋服を着せてあげた。燐はこれから、暖かい布団の中で永遠に眠り続ける。

もっと、触れたかったのに。お話したかったのに。一緒に暮らしたかったのに。
悲しくなる。涙が止まらない。
受け入れたくない気持ちが大きすぎて・・・・。

燐にそっと寄り添うように、胸に耳を当てる。
鼓動の音が聞こえない。もう、それがこの子が死んでいることを私に突き付けているかのように。

部屋を見渡した時、ふとボロボロの服が目に入った。
ずっと1枚の布きれであの塔に幽閉されていたのを思うと、可哀想になってくる。
でも、よく見てみると何か綺麗なものが入っていた。

気になって取り出してみる。


私がサフィラに教えてもらって、燐のために作った花冠が在った。
奇跡的に汚れの一つもなく、あの時のまま残っていた。


「・・・・ずっと、大事にしてくれてたの・・・・?」

涙が出た。さっきよりも多く。
燐・・・・。どうして、貴女は・・・・・


『お姉様は・・・・生きて・・・・』

燐の声が聞こえた気がした。
燐が寝ているベッドに目をやる。でも、ずっと眠ったままで起きた気配もなくやはり生きてなどいない。

燐がそれを願うのなら、望むのなら。
もう少し生きてみようかと思う。この時代の人生、この身体が朽ち果てるまで最後まで生き続けてみせる。

私は燐の頬にキスをして、そのままこの夜を過ごした。



その頃外ではサフィラ、黎音が死体の後片付けをしていた。
黎音は先ほど姫の暴走を目撃してしまったが、何も起こってないかのように今こうして片づけを手伝っている。
気になって尋ねる。

「サフィラ・・・姫様は?」
「燐様を連れてお城の中へ戻っていきましたよ」

死体を魔法で一か所に集めながらそう答えるサフィラに

「助け出せたの?燐様」

そう質問をした。するとサフィラは悲しそうな顔をして動かしていた手をピタリと止めた。

「・・・・はい。それより、この周りの片づけを済ませてしまいましょう。そこら中警備兵の死体だらけですし」

作業を再び再開するサフィラを黎音はじっと見つめていた。

*
*
*

険しい森の中。けもの道に沿って走っていく少女の姿があった。
その少女は身体中に木の枝でかすったような傷跡が目立つ。
必死に走っていく少女。

(誰でもいい。誰でもいいから助けて・・・・)

夜が明けようとしていても、少女の足は止まらなかった






燐が死んでから1週間が過ぎた。燐がいる部屋全体に強力な結界を張って何年経っても朽ちないようにした。
あの日は泣きつかれて何も考えられなくなってしまった。
魔道書を読み返して、はじめて自分がどういう存在なのかを知る。
1人は寂しい。サフィラと黎音が側にいてくれていてもやっぱり寂しい。
その寂しさから私は魔獣を作り出した。人間が嫌だからあちこちにある村や町を破壊してこいと命じた。
その時、自分が何をしたのか改めて実感してしまった。

もう、戻れない。私は・・・すでに人ではない。
そう考えながら窓辺にある椅子に座って外を眺めている。ずっと、雨が降っている。
城の近くは草が生えていない。私が炎をこの城の周りに召喚したからだ。
全部燐を助けるためにしたこと・・・。

サフィラと黎音は魔女の巣に戻っている。
今は私だけ。
とてもさみしい。

「・・・・私はどうすればいい・・・?燐・・・・」

疲れて眠ってしまおうと思ったその時、何かがこの近くに来たような気配があった。
ふと外を見てみる。
小さな女の子が傷ついて倒れているのが目に映った。

「・・・・人間?」


*
*
*

やっと・・・着いた・・・・。
お城に。でも、もう限界・・・・
何も食べてないし、何も飲んでない・・・・。

私、ここまで来て死んじゃうのかな・・・・・。嫌だよ、こんな人生・・・・
もう・・・・だめ・・・・。目蓋が重い・・・・
雨が冷たい・・・。

「・・・・大丈夫?」

声が聞こえたかと思うと女の人が私の目の前でしゃがんでいた。
天使・・・・様・・・・・


少女は気絶した。姫は雨が降っている中、少女を抱き抱えそのまま城の中へ戻っていった。





魔女の巣

サフィラと黎音は魔女の巣を壊滅させようと戻っていたが、魔女の一人に不審な動きを見破られてしまった。

「カナリア様に刃向う気か!サフィラ!」
「何をしようと私の勝手です。それにあなたたちでは私には勝てませんよ・・・・?」

まさか気づかれるとは思いもよらなかった。
黎音がカナリアの元まで行って役目を果たすまで、私はこの魔女と遊んでいましょう。

「何を企んでいる!魔女として恥ずかしくないのか!」
「もう、私と黎音以外に魔女は必要ありません。貴女にはここで死んでもらうとしましょう」

それを聞いた魔女は水晶玉を取り出し、能力を発動させようとしている。

「・・・・血迷ったか」

その言葉を聞いてサフィラは笑顔で

「ええ。もう、とっくに」




魔女の巣最深部。
黎音はカナリアのいる最深部へ到達していた。
ここには2人しかいない。

『どうした、黎音よ。我のこと、嫌いなのではなかったのか?』
「嫌いだ。魔女なんて、嫌いだ。あたしの両親の仇・・・・とらせてもらう」

つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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