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第85話 変質 
リリボンの容体が悪化っ!
この先、どうなる!?



・・・って、現代に戻るんだからそりゃあまぁ。




お見舞いに行ったけど会うことが出来なかった。
とぼとぼとアパートまで帰る帰り道。

赤髪のポニーテールの女の子が道のど真ん中で辺りを見渡していた
何してるんだろ?

そう思っていると女の子がこっちに気づいた。
なんか気まずくなって帰ろうにも帰りづらくなってしまった。
そんな時、その子が話しかけてきた

「あんた、さっき琴神音家の方角から来た?」

びっくりした。
もしかして見られてたのかな?
でもここに来るまで誰ともすれ違ってない。
ここら辺、人が歩いてるのあまり見かけない。

「琴神音とは関わらないほうがいい」

いきなりそんなことを言われた。何がなんだか分からなくて何も言えなかった

「あたしの忠告を聞くかどうかはあんた次第だ。じゃあな」

女の子はそれだけ言うと上へ飛んで屋根から屋根へ飛びうつっていった。
次第に姿が見えなくなった。
私はしばらくその場で女の子が消えていった方向をじっと見つめていた







*******


隣の席にリリはいない。
私はいつも通り学校に来て、いつも通り授業を受ける
そんな当たり前の生活をしているはずなのに。
寂しく感じる。それはきっとリリがいないから

『琴神音とは関わらないほうがいい』

あの言葉が脳裏を過る。
関わらないほうがいいって言われても放っておくなんてこと、私にはできない。

私はいつからこんなにもリリのこと、気にし始めたんだろう?


1限目の授業が終わって次の授業の準備をしている時、教室の扉がゆっくり開いた。
みんながざわざわしてるからなんだろうと思って振り返ると、

そこには熱を出して寝込んでいるはずのリリがいた。

「リリ!」

私は慌ててリリの側まで行く。
まだふらふらしてるってことはよくなってないってこと・・・

「なんで学校来たの?休んでなきゃ」
「・・・・だい、じょうぶ・・・。熱、下がったし・・・。ずっと、学校休んでるの・・・ダメだと、思って・・・」

リリ・・・。サクヤさんに無理言って連れてきてもらったに違いない。
それに熱下がったって・・・、まだ熱いじゃない。こんな身体で学校に来るなんて

とりあえず席に座らせようと促していたら、あの時リリを殴った男子がこっちにやってきて

「丁度よかった。琴神音、俺と決闘しろ」

そんなことを言い出す。
こいつ、今のリリの状態分かんないの!?
本当に最低なやつ!

「ほんとなら俺がなるはずだったセレクシオン。どっちが相応しいか勝負だ!」

セレクシオンって確か、学園の中で一番実力や実践が高いランク。数えられる程度しかなれない貴重な存在。
こいつ、その候補だったってわけ?

それより、こいつ止めないと大変なことになる気がする
真に受ける必要ないってことをリリに言おうとしたら

「・・・それで・・・、気が済むの、なら・・・」
「ちょっと!リリ!そんな身体で決闘なんて」

リリは「大丈夫」としか言わない。なんで無理するの?
私は心配なのに・・・!

「じゃあグラウンドで決闘だ」





特進クラス1組。
シェスリナとバラージュ、それからテレリはこのクラス。
ずっとリリボンが来ないので、落ち込んでいる部長の姿があった

「りりぽん大丈夫かなぁ・・・」

他の2人も心配なのか表情が暗い。「はぁ」とため息をついている時、廊下をバタバタと走る音が近づいてくる


「大変だ!グラウンドで決闘してるやつらがいる!誰か止めてくれ!」

そんな大声が聞こえてきたので、シェスリナ達は窓の外を見る。
目に飛び込んできたのはボロボロになっているリリボンの姿と一方的に攻撃を続けている男性の姿だった

「・・・・・・」


「りりぽん!?」




*
*
*




リリボンは攻撃を逃げずに全て受け止めていた。
そんな様子をただ黙って見ていることしかできないプラシナ。
無事を祈るしかなかった


次第に男性は攻撃を止め、質問をする

「なんで攻撃しない!お前、セレクシオンだろ!?だったらセレクシオンに認められた力、見せてみろよ!」

そう言われても膝をつき立ち上がろうとしない。
彼女の口からは男性が求めていた答えとは違うものが返ってきた

「・・・私が、気にくわないなら・・・。気が済むまで・・・攻撃すれば、いい・・・」

その答えに驚き、後ろに下がりかける。

その時、校舎の中から大勢の生徒と教師が出てきた。
教師は大声でいますぐ決闘をやめろと注意するが2人は止めようとしない。

「なら、お望み通りお見舞いしてやるよ!俺の必殺技!」

叫ぶと上へ飛び槍に電撃を纏わせる。
周りにいる生徒達と教師は驚愕していた

リリボンは上へ飛び上がった男性を、虚ろな目で見ていた


・・・これで、いい・・・。
私なんて、相応しくない。
だって身体弱いし、戦闘にだって向かない・・・
ただ魔力が高いから・・・私が四大貴族の家系だから・・・

たったそれだけの理由でセレクシオンに選ばれただけ・・・・

知らないうちに誰かを傷つけて、守られて、閉じ籠って・・・
最低な人間なんだから。




私なんていなければ・・・・

生まれてこなきゃよかったのに・・・!



―――駄目だ。

え・・・?誰?

―――本当に自分が嫌だと思うのなら、私に全て委ねてみよ。

・・・委ねる?
なんだろこれ。

どこかで、同じようなことを・・・

―――お前に死んでもらっては困る。少しの間、借りるぞ



「これで終わりだぁ!」

男性が叫ぶと同時に槍を構えた状態のままリリボンめがけて落下していく。

プラシナや他の部活メンバーも心配してリリボンの名を呼ぶ。
だが彼女は固まったように動かない。
刃が彼女に直撃する次の瞬間。

男性の動きが急に止まった。
すると次第に苦しみ始め武器を落とした。

「なんだ・・・これ・・・!」

リリボンは無言のまま。
男性は次第に宙に浮かんでいく。
リリボンは睨み付けながら男性を見ている。その瞳は赤く染まり、微かに輝いていた。
手を伸ばし、何かを握りつぶすようにゆっくり指を動かす。
それに反応しているように男性は一層苦しむ。

その様子を言葉も出ないまま見ていたクルセィが

「駄目だ!あのままじゃあいつ死ぬぞ!」
「えぇ!?まじでぇ!?」


プラシナはいつもとは違うリリボンの姿に戸惑っていた。
見ているだけなのが嫌になったのか。彼女はリリボンの側に近寄って抱き締めた

「やめてリリ。もういいよ、続けなくていいよ!」

プラシナに反応してリリボンは次第に力が抜けたみたいにその場に崩れ落ちる。

宙に浮いていた男性はそのまま地面に落ちていく。
それを教師がリボンを操り男性の落下を防ぐ

教師は男性に注意をした後、教務室に連れていった


騒ぎが静まったグラウンドの真ん中ではプラシナの腕に抱かれながら眠っているリリボンの姿があるのだった

つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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