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第90話 二人ノ運命 
3月に入ってしまったということで、更新を取り戻そう!


と、いうわけで一気に4話更新します!!
書き溜めてたから、更新しないとやばいw


今回は、前回のタイトル通りです。
ずーっと、昔のお話。


リリボンとプラシナという少女の物語。




話変わるけど、なんで『ちょうちょう』の歌って

「菜の葉に止まれ」「桜に止まれ」なんでしょうね?




蝶々を追いかけて遊んでいた少女は、桜の木に導かれて。

その後母親の悲鳴が聞こえてくる。急いで来た道を戻り、別荘まで戻ると


「―――!」


少女は見てしまった。
両親が血溜まりの中で倒れているのを。
父親が母親を守ろうとしたのだろうか。父親は庇うように倒れていた

その側には見知らぬ人物がいた。手には鋭く尖ったナイフを持っていた。血が付いているそのナイフを持ちながらこちらに気づいて歩いてくる

怖くなって動けなかった。
逃げたくても逃げられなかった。足が動かない。

「いつもいつも琴神音の言うことに従うのは御免だ。お前も両親のもとに逝けばいいんだ」

そう言いながら男性が歩いてくる。まだ幼い少女は動けない。
もうすぐで刃が届く所まで近づいてくる
このままでは殺されるのも時間の問題だった。
だから―――


「・・・・!?」

ナイフを受け止めてやったのだ。この依代、失うわけにもいかなかった。
貴重な体質を持っているのだから利用しない手はないと思ったまでだ

「な、なんだよ!?お前、誰だ!?」
「・・・誰?って、私は私」

ナイフをねじ曲げ、ジェムから大鎌を取り出して男に一振りした。呆気なく血を出して倒れた。

こういうやつは口だけ達者だ。本当は弱いのにこんなことして。

人間は愚かなものだ・・・


「お嬢様!?」

サクヤが慌てて走ってきた。
倒れている両親を見て、察したのか何も口にしなかった。
だが、表情で動揺していることはすぐに分かった。

「・・・あぁ、サクヤ。遅かったね、もう何もかも手遅れだわ」

「その気配は・・・姫様・・・?」

私はサクヤに向かって微笑んだ。

「サクヤ。私、やらなきゃいけないことがあるの。だから、両親のことお願いできる?」

動揺を抑えられない中、冷静に返事をする。

私と燐は同じ。
こちらがこんな目に合ったっていうことは、燐のほうでも同じように酷い目に合っているに違いない。
ここから遠く離れた土地にいるのは間違いない。
なら、私が助けにいくまで









*
*
*



「お前らのやり方気に食わねぇんだよ!いっつもいっっつも俺らの邪魔しやがって!」
「私たちはそんなつもりは一切ありません!ただ、倒さなければならない敵が出たら退治するのが我々ハンターなのではないですか!?」


言い争わないで・・・。
いつも優しいお父さんが怖いよ・・・。嫌だよ、嫌だ・・・

「プラシナ、こっちに」

お母さんに連れられて家の奥に移動した。
そうしてるうちに、話がややこしくなってて・・・

「・・・ちょっと、あいつらを黙らせに行ってくる」
「何言ってるの!?あなた、まさか力で抑え込もうとしてないでしょうね!?」

分からないよ・・・。
どうしたらいいのか分からない。なんでこんなことになるの?
同じハンターなら仲間なんじゃないの?
なんで争わなきゃいけないの?

「大丈夫だ。必ず戻ってくるから」

お父さんは行ってしまった。
暗い暗い夜の中、お母さんに守られながら私は息を潜めていた。
いつまで経ってもお父さんは戻ってこない。
きっと何かあったに違いない。
お母さんが私の名を呼ぶ。

「プラシナ。逃げなさい。ここから遠く離れて」
「何言ってるの・・・?お母さんも一緒に逃げよう・・・?」

お母さんも行ってしまいそうで怖かった。
だから必死に止めようとした。
でも、

「大丈夫よ。お父さん連れて必ず戻ってくるから」

それだけ言うとお母さんは行ってしまった。お父さんが森の中へ入って、お母さんも入って。
私はひとりぼっちになっちゃった。
怖くて怖くて、じっと家の中で待ってた。帰ってくるのを待っていた。

けれど、お父さんもお母さんも戻ってこない。嫌な予感がした。
私は、暗い森の中へ足を踏み入れた。

奥に進むにつれてどんどん暗くなってくる。怖かった。でも、私は足を止めない。
しばらく進んでると、何か光ってるのが見えた。恐る恐る見に行く。

後悔した。森の中に入らず、お母さんの言われた通りに遠くに逃げればよかった。
見なければよかった。

だって、だって―――



もう、死んでるんだもん。

「いや・・・いやだ・・・こんなの・・・」

声が出ない。足が震えている。
ここから立ち去りたいのにそれができない。

よく見ると、倒れている人達の側に人の足ではない、何かがいて・・・

見上げると、おっかない狼の顔をして二本足で立ってる獣がいて

私に気づいてこっちを見る。
息を荒くしながらこっちを見ている

「・・・あ・・・あ・・・」

いやだ、来ないで。こっちに来ないで。

私は駆け出した。無我夢中で走った。
後ろを振り返るとあの獣が追いかけてきている。
怖くてただ泣きながら走ることしか出来なかった。

必死に走っているのに、獣はすぐ近くまで来ていた。
そして爪を鋭く尖らせて私の背中に

「っ!!」

痛い。痛いよ・・・
声なんて恐怖で出るわけない・・・
誰か、誰か助けてよ・・・
死にたくないよ・・・

視界がかすれていく。
視界が暗くなっていく中、誰かが立っている気がした。








プラシナは気絶した。
その側には綺麗な美しい女性が立っていた。周りには無数の青い蝶が飛んでいる

「・・・お前、余計なことをしてくれたな」

そう言って睨み付けると獣は怖じけずく。
それでも、爪を立てて襲いかかろうとする。女性は呆れるようにため息をして

「失敗作か・・・。創り直しだな」

大鎌を一振りした。
獣は苦痛の声をあげ消えていった

消えていったことを確認すると、気絶してしまった少女を抱き抱える。頭を優しく撫で、顔についてしまった土を払う。
少女は微かに目を開ける。

「・・・だ・・・れ・・・?」

今にも消えてしまいそうな声。
女性は少女を眠らせるため、目を閉じさせた。
閉じた後、静かに落ち着いた呼吸が聞こえてくる。

「・・・・もう、大丈夫だから・・・」







女性は大きな木の枝に少女を抱き抱えたまま座り込んでいた。
周りには蝶が守っているかのようにヒラヒラと舞っている。
優しい眼差しでプラシナの寝顔を見ている姫。
そうしていると、一人の女性がやってきた。
木の周りに結界を張っていた姫だが、何の支障もなく潜り抜けてきたことを考えるとただ者ではないと感じた

「・・・こんなところに結界があったものだから、気になっちゃって」

笑顔でそう言う女性。
だが、姫にはその笑顔の裏に気づいていた。顔が険しくなる

「・・・貴様、陰陽師か」
「だとしたら、どうするの?」

笑顔を絶やすことなく話しかけてくる相手に姫は苛立っていた。

「嫌な匂いだ。私を何度も邪魔した忌々しい陰陽師・・・」
「私はあなたを滅しに来たわけではないわ。あなたの腕の中で眠っているその子を探してたの」

それを聞いて姫は唖然としていた。今まで会ってきた陰陽師は全員自分を滅しようと手を掛けたからだ

「・・・変わった陰陽師だ。お前たちにとって“人ならざるもの”は敵であろう?」
「陰陽師が皆、妖を嫌ってるわけではないわ。それに」

一呼吸置くと、にこっと微笑んで

「皆がみんな。悪い妖とも限らないもの」

微笑みながらそう言う女性に少し腹が立った姫だが、

「・・・貴様をここで葬ってやりたいが、今の私には無理だ」

と落胆。今の姫は魂だけの存在。力もほぼ無に等しい状態のため戦うことができない。
そのことを分かっているような眼差しで女性は姫を見つめている。
やがて手を差し伸べこちらに渡してとジェスチャーをする

「その子は返してもらうわ。頼まれたから」

今の状態でプラシナを守ることができないと感じた姫は、弱々しい魔法で女性へ預けた。
プラシナは女性の腕の中で眠っている

「・・・・傷をつけることのないよう、気を付けろ」

それだけ言うと姫は霧のように消えていった。
次第に木の周りに張られていた結界もなくなる。
女性はプラシナの寝顔を悲しい目付きで見守っていた

つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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