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第101話 陽刻楼 
みなさん、おはこんにちばんにゃー

久々の更新です。いやはや、1か月以上も放置してしまい申し訳ないです・・・w
お話の内容はここから展開していくと思います。


一つ、注意をしておくと。
前にも書きましたが、これから人によっては苦手だったり不快な気分にさせたりと言った内容が多くなってくると思いますので、そういった方は読むのを控えてください。

逆に「大丈夫だよー」とか「こういうの好き」とかそういった方はこの物語の最後まで読んで下さるとうれしいです!
ただ、最後に行くまであと何年?かかるのか分かりませんが・・・


今後とも、よろしくお願いします。




シェスリナは「へ?」と目を見開きしばらく固まっていた。
他の者も全く耳にしたことがないため、唖然としていた。

「この能力は特殊でね。数百年に一人にしかあらわれない貴重なものなの」
「・・・つまり・・・、それを持ってるのが、私ってこと・・・?」

学園長も秘書も無言で頷く。
本人はまだ理解できないのか表情には焦りが出始めている

「で、でも私・・・そんなの知らないわよ・・・」
「美輝さんは知らず知らずのうちにその力を使っているはずよ」

そう言われても心当たりがない。私にそんな能力があるなんて初耳よ!?

「使いこなせるようになれば、ジェムの汚濁を取り除くこともできるけれど・・・」

学園長は今の状態を見て、まだまだ無理だろうという判断に至る。

「まずは、本質を知ることから始めた方がいいかと」
「そうね。この話はまた明日にしましょう。今日はもう遅いし」

何も分からないまま長い1日が終わった。
シェスリナは必死に悩み、思考を巡らせ心当たりがないか探ろうとするが何も思い付かなかった

「百碑さんと姫野さんも、今日は休んで明日からお手伝いお願いね」

シェスリナは一人、1日をすぐに終わらせたくないと思っていた。
珍しく焦っているのだった



その様子をまたこっそり、ルーミアが盗み見ていた。

「・・・これは・・・、報告しづれぇな・・・」


****


森の奥。
木の枝の上で黄昏ているアビス。エコーが黒猫をあやしながら

「そろそろ行こ」

その言葉を聞いたアビスは木から飛び下り、エコーとともにある場所へ向かっていった。


****

異次元世界には朝も昼もない。
燐姫は蝶姫よりも早く起き、窓辺で黄昏ていた。
彼女の周りには無数の紅い蝶が舞っている。

「どうしたらお姉様を綺麗にしてあげられるかな・・・」

一人小さく呟やく妹。
彼女の頭のなかには姉のことでいっぱいだった。

「・・・燐」

考え事をしていると突如、自分の名を呼ぶ声が聞こえてくる。
後ろを振り向くとベッドを覆っているカーテンの隙間から顔を覗かせているお姉様の姿があった。

「・・・お姉様、どうしたの?」
「燐がいないから・・・心配で・・・」

・・・私はずっと眠っていたようなものだから、あまり眠れない。でもお姉様は私を探すために一生懸命だった。だから、ぐっすり眠ってて欲しかったけど・・・
逆に怖がらせちゃったみたい。

すぐにお姉様の側に行く。
すると安心したのかまた眠そうな顔をした。

「どこにも行かないから・・・。ね?」

優しく言い聞かせてあげると、微かに微笑んでくれた。
私はお姉様に横になるように言いつけて、私も一緒に横になった。
その時、なぜか頭のなかで先ほどまで考えていた答えがふと浮かんできた。さっきまでどうしようか悩んでいて全然浮かばなかったのに。お姉様の顔を見て、やっと答えが浮かんだ。不思議だった。

「・・・ねぇ、お姉様。どんな世界を見てみたい?って、言ってたよね。私、ずっと考えてたの・・・」

お姉様の顔をうかがう。
眠そうな顔をしているけれど、私の話を聞いてくれているのか。
重そうな目蓋をしながら、天井を見ていた

「私は、お姉様と2人っきりの世界を見てみたい」

そう言うと、少しだけ目を見開かせたような気がした。
私は構わず話を続ける。

「・・・お姉様が本当の神様になって、人間を滅ぼして・・・。お姉様が神様になってくれたらきっと素晴らしい世界になると思うわ」

さっきまで考えていたこと。それはお姉様をもっと美しく、もっと強くする方法。
「神になるのも悪くない」と言っていた。それが本当なら、いっそのこと神様になって支配して。そうしてはじめて2人っきりの世界ができる。

「・・・2人っきりの、世界・・・」

お姉様が今にも消えてしまいそうな声で呟く。
私はお姉様に寄り添った

「私が、支えてあげるから。・・・だから・・・ね?」

お姉様の顔をうかがう。
ずっと天井を見つめている

「・・・一緒に作ろ・・・?新しい世界を」

その時、お姉様の瞳が真っ赤になった―――。


****
現実世界では、夜間パーティーから一夜明け静かになっていた。
学園長は異次元へ続く扉の状態をモニターでチェックしたあと、一人ため息をついていた。


あの姫には困ったものね・・・。
文献に目を通してみたけど、今までにも似たようなことをして失敗。500年経った今再びこの世に姿を現した。それも、よりによって琴神音さんの身体を奪って・・・
現時点で琴神音家が四大貴族を統括していたけれど、その頭主がいない今。私が代わりにするしかなさそうね

もっと早く気付けていたら、こんなことにはならなかったのかしら・・・?500年前と同じようにまた一人、誰かの命がなくなってしまうのは避けなければいけない。
一刻も早く美輝さんの能力を開花させないと・・・

「学園長」

考え事をしていると秘書の綰童神楽が話しかけてきた。

「調べ直してみたところ、燐姫に関する情報が蝶姫に比べて少ないことがわかりました」

燐姫。謎が多い蝶姫の妹。
彼女に関する文献も少なくてどういう存在なのかも分からない。
実在しているのかも謎だったけれど、それは昨日確かにこの目で見た。実在は確認済み。問題なのはどのような人物なのかということ。
それが分かれば玖蘭さんを助ける方法があるかもしれないのに・・・。

「そうね・・・。できる限り、燐姫について書かれてあるものを全てまとめましょ」
「わかりました。では、早速取りかかります」

神楽が来た道を戻ろうとしたその時、緊急警報が鳴り響いた

「陽刻楼にて緊急事態発生、現在何者かが警備兵を殺害。そのまま屋上へ向かっています」

あわてふためく神楽に対し、菖蒲は冷静だった

「数は?」
「確認できる範囲で恐らく二名程度かと」


状況把握を急いでいる中、緊急警報を聞き付けてシェスリナたちがやってきた
警報は鳴り続き、オペレーターは陽刻楼へ派遣された警備係と連絡を取り続けている

この状況を見たシェスリナは

「陽刻楼へ様子を見に行ってきます」

その発言に全員が驚く。

「いけません!陽刻楼は今危険な状態です!それにあなたは―――」
「・・・本気?美輝さん」

神楽が言い終わる前に学園長が割って入る。
学園長の目はいつも通りの笑顔だった

「・・・能力の開花も大事だけど、この街だって大事だもの。なんと言われようと私は行くわ」

シェスリナを見て、ルインティアとテレリも一緒に行くと言い出した
その様子を見ていた学園長は

「わかったわ。三人ともお願いね」

秘書は学園長の言葉なら仕方ないと、神楽はオペレーター室の奥にあるワープポイントへ案内する

「こちらのワープポイントで陽刻楼屋上に行くことができます」

3人は真剣に話を聞いていた



****

―――その頃、陽刻楼では

あちこちが破損し、何か強い力で引っ掻いたような跡が至るところに残っていた。
監視カメラなどの機器類は破壊されており、まだ生きようともがいているかのように電流がほとばしっている
それを勢いよく踏み潰す。
踏み潰された既に機能を停止しているカメラはついに粉々に砕けちり電流も静かに息を引き取る

踏みつけたその影は、改めて景色を眺めていた
その後ろではあまり気持ちのいいものではない音が鳴り響く。
銃声、刃通しがぶつかり合う音。
仲間同士が殺しあいをするという不可解なこと。
それが全て終わると、外を見ている女性に言う

「終わったよ」

それを聞いて、女性は「行くか」と一言だけ放ち屋上へと歩き出した

つづく.....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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