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第129話 真実 
お久しぶりです。リリボンです。


短く切りたかったのですが、どうしても入れたい描写がありましたので今回長めです。
すみませんm(_ _)m

今回は本部描写のみです。
伏線1つ目回収と言ったところですかね。




本部では怪我人の手当てで忙しかった。
緋漓、刹那、蜜柑、梔子の4人は眠ったまま。精神的なダメージを負っているらしく目覚めるのにはもう少し時間がかかるということだそうだ。


傷が深いshethメンバーは適切な処置のおかげで数時間で目を覚ます。
シェスリナは4人に向かって謝り続ける。
だが、そんな彼女に4人は「リナさんが無事でよかった」と自分達の身よりもシェスリナの心配をしていた。

「皆、ごめんね」
「シェスリナさんは何も悪くありません。悪いのはあなたを操っていたあの姫の方なんですから」
「そうです。たしかに死にかけましたが、貴方がいないとsheth部と呼べませんからね」

シェスリナは「・・・この馬鹿」と小声でつぶやいた。それでもその表情には部員が無事だったことへの嬉しさが混じっていた。


4人が目を覚ましたことを確認すると黒い女性は、治療室に全員来るよう集める。
次第に、治療室に人が集まってくる。


「集まってくれて感謝する。さて、本題に入ろうかの」

「・・・あなたは一体」

シェスリナが疑わしい目で女性を見る。
シェスリナの言葉にクスッと微笑むと

「そうじゃな。まずは妾の事を教えるとしよう」

そういうと、黒い女性の姿が鏡が割れるようにヒビが入り、破片が砕け散っていく。
鏡が割れ切ったとき、そこにいたのは真っ黒な女性ではなく豪華な着物を羽織り、頭には獣の耳があり尻尾が九本生えている姿になった。

その姿は狐が人の姿に化けているようだった。

「妾の名は衣絽羽と申す。よろしゅうな、人の子らよ」

その姿を見て、シェスリナ含むほとんどの者が吃驚していたが学園長だけは冷静だった。

「・・・あなた、九尾の妖狐ですね?」
「如何にも。さすが陰陽師の子孫じゃな」

学園長は車いすに座りながらも深くお辞儀をする

「うちの生徒を救ってくださってありがとうございます。しかし、なぜ貴方がこの子たちを?」
「・・・こやつらはあの蝶に対抗し得る唯一の存在。彼ら失くしてこの世界は救われぬ。妾もこの世界が無くなるのはいただけんのじゃ」
「・・・本当にそれだけでしょうか。私にはまだ何か裏があるように思えます」

九尾の妖狐はその言葉にすこし驚く。

「陰陽師の血は伊達ではないということか。ふむ、これは何を隠しても無意味ということかの」

しばらく沈黙が続く。みんな、妖狐の話をまじまじと聞いている。
シェスリナも珍しく、真剣に聞き入っていた。

「・・・実は、樹里から頼まれておっての。『娘とその仲間たちをどうか救ってほしい』とな」

その言葉にシェスリナと学園長、そして神楽は「え?」と一層驚いていた。
唐突な話に3人は動揺していた。

「なぜ樹里さんを知ってるんです?いえ、それ以前になぜ貴方に」
「・・・彼女は妾を一目で見抜いた。妾としては隠していたつもりだったんじゃがな。

・・・・・話題を振ってきたのは彼女のほうじゃ。我が子の未来、この世の行くつく先。それをどうにかしたいとな」

シェスリナは実の母の話を聞いて、複雑な気持ちだった。
自分の母は未来を視、その通りにならないようにずっと模索していたのだと。
時折悲しそうな、苦しそうな顔をしていたのはこの先に何が起こるか知っていたからだということに今、やっとわかったのだ

「樹里は誰よりもこの世を救おうとしていた。例え、必ず殺される運命だと分かっていてもな」

妖狐の口から語られた事実は、衝撃なものだった。
美樹樹里の死は不幸な事故ではなかったのだ。
それを聞いてシェスリナは涙を流していた。母親を守りたいがために学園に入ったのに、結局予言者だった母に救われていたことに。

「誰が・・・・誰がママを!!」

シェスリナは母親に何があったのか知りたがっていた。その答えがいま分かろうとしている。
我慢しきれずに妖狐に問いかける。

「・・・・知ってどうする。殺した相手を探し出して復讐でもするのか?」
「知りたいの!あの時、ママの身に何が起こったのか!」


妖狐は事実を伝えることに躊躇していたが、隠しても仕方がないとゆっくり口に出す




「・・・・・・・・・・・・お主を操った、あの姫じゃ」

その言葉に、シェスリナは支えていた足に力が入らなくなり、その場に崩れ落ちる。
そして先ほどよりも大量の涙が流れだす。それと同時に体が震えていた。


「姫にとって、樹里は危険な存在じゃった。未来を視る事ができる者、その中でただ一人あやつの陰謀に気づいておったからだ。彼女の死はどう足掻いても避けられんかった」

身体はまだ震えが収まらない。
自分を陥れ、力を得るためだけに。未来を知っている母親を殺し、自分までも利用されかけた。
ただただ、姫が憎い。だが、洗脳されていたことに対する恐怖も感じていた。

shethメンバーたちは震え泣いているシェスリナに寄り添う。テレリは、彼女の手を取り落ち着かせようとしていた

「じゃから、樹里は妾に託した。この世の行く末、シェスリナとその仲間たちのことを」

妖狐は座りこんでいるシェスリナに視線を合わせるようにしゃがみ

「・・・・樹里を救えなかったこと、本当に申し訳ない。すまぬ」

その言葉を聞いて、シェスリナは何も言えずただただ手で顔を覆い泣き続けるだけだった。

「なるほど。話は大体わかりました。それで、貴方の目的は何なのですか?この話をするためだけにこの子たちを救ってくれたわけではないのでしょう?」

学園長からの問いかけに、「ふむ、そうじゃな」と言いながら立ち上がり改めて向き合う。

「妾もお主たちの仲間に加えてくれぬかの?」
「・・・・貴方はかつて傾国の美女だったお方。人間のことはお嫌いだったのではないのですか」
「それは昔の話じゃ。今は人間に恨みなど毛頭ない」

その答えに、学園長は少し困惑したが嘘を言っているようには見えなかった。
九尾の妖狐は話を続ける

「妾もあの姫を倒すつもりでな。お主たちと妾の目的は一致しておる。お主たちとともに行動したほうが得じゃと思うてな」
「利害の一致ですか・・・。いいでしょう、歓迎します。九尾の妖狐さん」

その言葉に神楽は学園長に突っかかるが、「大丈夫」と言って笑顔を見せる。

「感謝する。良ければこやつとも仲良くしてやってくれ」

妖狐の懐から光を纏い、それは人の形を成していく。
大きな鏡を持った白と青が印象的な幼い少女の姿が現れた。

それは現れると自ら「鏡汐」と名乗り、ペコリとお辞儀をする。
こうして、本部に新たな仲間が加わったのだった。



***
その夜。
衣絽羽は一人、夜風を浴びに中庭に出ていた。
しばらく遠くを見つめていたが、あることに気づき人物の名を呼ぶ。

「・・・・ルーミアよ。そこにおるのであろう?」

図星をつかれたルーミアは観念し、姿を現す。

「なぜあの時、現れなかった」

衣絽羽は操られていたシェスリナによってかつての仲間が危険だったのにも関わらずその場に現れなかったことを問いている。
ルーミアは静かに答えた

「・・・・俺は一度みんなを裏切ってる。今更顔を出すなんてとても」
「妾はお主がいつ来るのかと待っておったのじゃがな・・・・。一向に現れる気配がないから妾が手を下したが」

ルーミアは俯き、何も言わない

「もう分かっているじゃろう?姫に使い捨ての駒として利用されていることに」
「・・・・・・・・・・・っ」
「あれはもうお主の知っている想い人ではないぞ」
「・・・・・・・分かってたことだ。リリーさんはもういない・・・・。あの姫に従ってリリーさんを元に戻す方法をずっと考えていたが一向に見つからない。全然ダメだな、俺・・・・」

そう俯いたまま、力なく語るルーミアに対し衣絽羽はこんなことを言うのだった

「・・・・方法なら、ないこともない」

その言葉にルーミアは顔をあげる

「知りたいか?」

つづく....
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THEME | GENRE 小説・文学 |
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