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~第20章~ 『水晶の瞬き』 
おはこんばんわ~!

今回から展開がかなり変わってきます!
そして、黒いローブを着た人たちの名前が明らかにっw

この人達は一体何者なんでしょうか?
そして、アイリスお姉ちゃんとの関係は!?

では本文へ~



王城様子

ざわざわ・・・・ 朝から騒がしい。みんな昇級発表が待ち遠しくていつもより早く起きたものもいればそうでないものもいる。
けれどそんなことだけで朝からこんな騒がしくはない。
魔界で起きた出来事。第5師団副師団長の正体がエリン全土に行き渡り、どこもその話で持ちきりだ。
エリンの不安を取り除くため、一人の中将が王城の廊下を渡りながら書類を手元に持つ。

「ゼルフィード中将。クレセンティア大尉の処分・・・・いかがなさいますか・・・?」
「ふむ・・・。エリンを破壊するほどの力を持っているのだ、野放しにさせておいてはまたいつ何をやらかすか分からんからな。」

アーダイン・ゼルフィード中将。sheth軍のまとまりを全体的に管理している。
その中で魔界の姫とされ世界を崩壊へ導くかもしれない存在の処分をひそかに考えていた。



リリボンの家

アイリス「リリ・・・。」
リリボン「・・・んぅ~ん・・・」

朝・・・。アイリスは目が覚め、リリボンの名前をそっと呟く。
妹が寝ている間にいろいろと身体のあちこちをいじくるアイリス。
リリボンの頬にキスをする。少しリリボンは反応するが、起きようとはしない。
アイリスはおもしろがって今度は口づけをしようと顔を近づける。

綺麗な顔をしながら眠っている少女は気配を感じ、ゆっくりと目蓋を開け始める。
目の前で姉がキスをしようとしているのを見て、慌てて逃げ出そうとするリリボン。
けれど、それは気づいた時にはもう既に2つの唇が重なりあっていた後だった。
手と手を重ねながら、お互いに時間を気にせずじっくりと2人はキスを交わしている。

その間、この2人の空間だけ時が止まったように感じられた。
リリボンは顔を赤めながら姉との時間をゆっくりと過ごす。
アイリスは唇をそっと離し、妹の耳元で小声でささやく。

アイリス「・・・愛してる・・・、私のリリ・・・。」

リリボンは姉に愛され、幸せのようだ。アイリスは今だけ幼い少女を独り占めしているようだった。

リリボン「・・・はぅ。お姉ちゃん・・・、朝から恥ずかしいことしないでよ・・・。」
アイリス「・・・ごめんね。でもあなたがかわいいから・・・♪いじりたくなるのよ。」
リリボン「お姉ちゃんなら・・・、何したって許すもん・・・っ。」
アイリス「・・・あら嬉しぃ♪じゃあ、顔ツンツンしてもいい・・・?」
リリボン「うん・・・♡」

アイリスは妹におねだりするように接する。2人だけの時間。
ずっと逢えなかった姉妹、少しでも触れ合う時間は必要だ。リリボンもそれを察しているのか、ゆっくりと今という時を過ごす。

アイリス「・・・ありがと。さあ、もう起きようか、そろそろ仕事の時間でしょ・・・?」
リリボン「・・・もうこんな時間なんだ・・・。うん、起きる・・・。」
アイリス「・・・いやなの?王城に行くのが、怖いの?」

アイリスは昨日のことを思い出す。昇級発表は今日なのだ。
リリボンは王城に行くのを嫌がっている・・・・、そんな気がしたのだ。心配して、聞いている。

リリボン「・・・ちょっとだけ・・・。でも、大丈夫だよ。何が起こっても、私は受け入れるから・・・。」
アイリス「嫌なら行かなくていいのよ・・・?ずっとここにいても、いいのよ・・・?」
リリボン「・・・。一緒に来てくれる・・・?本当は、怖いの・・・。」

アイリスは静かに頷いた。妹を守ると誓った優しい姉。2人は髪を整えて着替えを済ませ、王城へと足を踏み出す。
リリボンは俯きながら、アイリスと手を握る。何か、よくないことが起きるような・・・そんなことが2人の頭によぎっていた。
姉を見ようと顔を上げたリリボンは静かにアイリスの首にある晴明桔梗で描かれている五芒星を眺めていた・・・・。




シェスリナ「・・・・どういうことなんですか、ゼルフィード中将。」
アーダイン「言ったとおりだ。他に言いようがない。諦めろ。」

バン!! シェスリナが机を思いっきり叩いて、机がまっふたつに切れてしまった。それをみたアーダインは驚きながら、シェスリナを見つめている。

シェスリナ「納得できにゃいにゃ!!なんでりりぽんをsheth軍からはずすのにゃ!!!」
アーダイン「エリンを崩壊する程の力を持っているんだぞ!世界の凶器になる!俺の言ってることが分からないのか!?」

シェスリナ「分かりたくもないにゃ!!魔界の姫?そんなの何一つ関係ないにゃ!りりぽんは私たちの家族よ!あなたにどうこう言われる筋合いはないわ!!!」

シェスリナの声が執務室全体に響く。その声を聞いたルインティア一行は何事かと執務室に入ってきた。

ルインティア「な、何事ですか!?って、リナさん、ここにいたんですね?書類のまとめを・・・」
シェスリナ「うるさいわね!黙ってなさい!!今はこいつと話してるのよ!!」
クルセィ「一体、どうしたんだい?リナさんにしては珍しいじゃないか。怒るだなんて。」
無依「なんで怒ってるんですか?」
バラージュ「・・・これは挨拶できる雰囲気じゃないな・・・。」

みんなが集まってくる。
状況が全く読めないshethメンバーはギルドマスターが怒っている理由についても何も分からないままだ。
シェスリナはゆっくりとこうメンバーにこう言った。

シェスリナ「みんなを集めてちょうだい!今すぐよ、早く行ってきなさい!!!」
全員「ハ、ハイ。。」

ルインティア一行はsheth軍メンバーを呼び集めようと一斉に走り出す。
アーダインとシェスリナとの話の決着がつかない。

アーダイン「何をする気だ!」
シェスリナ「・・・みんなにこのことを言うのよ。でも、りりぽんの件については納得できない。今すぐ取り消して!」




リリボン「・・・・王城、か。着いちゃった・・・。」
アイリス「・・・帰ろうか・・・?」
リリボン「ううん・・・。中に入るよ・・・。ありがとう、お姉ちゃん・・・。」

私は中に入ろうと足を前に出す。けれど、なぜか足が動かない。怖がっているのか体の震えが止まらない・・・。
怖い・・・。そんなことしか、頭にない・・・。どうして・・・、怖いだなんて思うのだろう・・・。

アイリス「・・・一緒に行くわ。見てられない・・・。」

お姉ちゃんが私の手をそっと握って、私を引っ張る。もうこれで何度目・・・?
お姉ちゃんに助けられたのは、これで何度目なのだろう・・・。何度救われたのだろう・・・・。

正門にいつもいるはずの警備兵がいなかった。扉は無防備に開き、私を中へと案内しているように風が吹く。

前を見るとそこには、アーダインの指揮で配備された兵士たちが私たち2人を眺めていた。
一体、どういうこと・・・?

兵士「リリボン・クレセンティア大尉。ここはあなたの来る場所ではありません。お引きとりください。」
アイリス「・・・仕事の時間なので、送ってきたのですけど・・・、それはどういうことで・・・?」

・・・・来る場所じゃない・・・?どういうことだか、さっぱり分からない。ここは私の居場所ではないの・・・?
その時、ママがこっちに走ってきた。後ろにはshethメンバー全員をひきつれて・・・。

シェスリナ「りりぽん!だめ!来ちゃだめ!!」
リリボン「・・・ママ?どういうことなの?私の居場所はshethなんでしょ?ここなんでしょ?」
ルインティア「リリさん、あなたを非難しているわけじゃありません。安心してください。」
シェスリナ「・・・実はね、胡散臭い野郎がりりぽんを王城国軍、shethからはずそうとしてるの。」

絶望した。来なければよかった、悲しい・・・・。全身から力が抜け、膝が地面についた。
やっぱり私は、エリンにいては・・・・いけないんだ・・・・。体の震えが止まらない・・・。

シェスリナ「でも私たちは反対なのよ?りりぽんのことちゃんと家族として見てきたんだもの。
      これからも家族としてりりぽんのこと支えていきたいのよ?なのにさ・・・。    」
アイリス「・・・・情けないですね。あなたはshethのギルドマスターですよ?どうして止められないんですか。」
シェスリナ「止めようとしたわよ!でも、あの野郎ったら話聞いてくれないんだもの!!!」
アイリス「理由になっていません。長い間、リリを見守ってくれてありがとうございました。
     一緒に旅に出させてもらいます。失礼します。                」
アーダイン「待て、汚れた者よ。生かしておくわけにはいかない。」

・・・・私たちを、殺す気なんだ・・・・。もういや・・・・、こんなの・・・・もう・・・・・耐えられない・・・・。
涙が込み上げてくる。今まで信じていたものがすべて壊れてしまったようだ・・・・。

ルインティア「・・・・!まさか、リリさんを殺す気ですか!あなたは何を考えて!!」
クルセィ「・・・気に食わないな。今まで仲間だったやつを殺すとか言い出すの。」
バラージュ「みんなでりりぽんを守るんジャイ!!」
プラシナ「この野郎!!リリを泣かせるんじゃねーよ!吹き飛ばされてーのか、ああん!?」

みんなが止めてくれる・・・。嬉しい・・・・でも、涙は止まらない。
お姉ちゃんが私の手をぎゅっと握りしめる。俯きながら、静かに怒っているように見える・・・。
するといきなりお姉ちゃんの口から・・・・

アイリス「・・・汚れた・・・者・・・?お前に私たちの何が分かるっていうの!殺すわよ!?」

お姉ちゃんが怒ったの、はじめて見た・・・。怖い・・・・、睨んでいる。アーダインを睨んでいる・・・。

アーダイン「乱心したぞ、やれ!世界の凶器となるものを抹殺しろ!!!」

弓を構える兵士、大砲を準備する兵士・・・・。殺される・・・・、それがどんなに苦しいか・・・、平和に気ままに過ごしてきたあいつには分からない・・・。諦めよう・・・・、私は消えたほうがいい。

放たれる矢、砲弾・・・。それをshethのみんなが止めにはいる。アイススピアで凍らせたり、ヒートバスターで吹き飛ばしたり・・・・
みんなは私のこと嫌いじゃないの?いてほしくないんでしょ?なんで助けるの・・・・?

テレリ「国軍とは思えません!仲間を守ります!全員で止めましょう!!」
てれりんが叫ぶとみんなが一斉に反撃態勢になる。

お姉ちゃんは私を守るために盾になってくれている。ナイフを素早くアーダインに投げつけた。
投げつけたナイフはアーダインの頬に傷をつける。血が流れ、それを見たアーダインは完全に怒ってしまった。

アーダイン「・・・・殺せ!生かすな!エリンの未来のために!!」
兵士「イエッサー!!!」

兵士たちが命令を聞く。あの人たちはどうしてあんな人の言うことを聞くのだろう。
・・・怖い。こんな怖いところにいたくない。私はまだみんなと一緒にいたいのに・・・・、

なんで・・・・!なんで・・・・!!

『・・・あははは!情けないものですね、姫。あなたの居場所は汚れてしまった王城なんかじゃない。
 私たちは知っていますよ、あなたが在るべき場所をねぇ・・・・。                』

声が聞こえてくる。誰の声・・・?知っている気がする・・・。けれど思い出せない。
お姉ちゃんのことを思い出そうとした時と同じ感覚・・・・。一体、どうしたんだろう、私は・・・。
お姉ちゃんの首にかけられていたネックレスが光り始めた。きれいな銀色の光。
それはチェーンに繋げていた銀色の宝石が入った指輪からだった。

アイリス「・・・この声は・・・!ミシェラ!!!」
リリボン「・・・お姉・・・ちゃん・・・?」
シェスリナ「誰の声!?まだ新手が!?」
クルセィ「女性の声?アーダインの兵士たちには女性なんていないはずだろ?」
ルインティア「じゃあ誰だっていうんです!リリさんが殺されようとしてるんですよ!?」

ミシェラ「よーんだぁ?久しぶりねぇ~、黒いバラ。」
アイリス「・・・・どうやってエリンに!」
ミシェラ「・・・魔法でちょちょいとね。アイリス、もう分かってるでしょ?そろそろ帰ってきてくんない?」
アイリス「いやよ、力は解放しない!もう決めたのよ!」
ミシェラ「バカいってるんじゃないわよ!!姫を守ってきたアンタがそんなことを口にすんじゃないわよ!!」
アイリス「うるさい!黙って!あなたたちはもとの時代に帰りなさい!!」

話がよく分からない。アーダインもshethのみんなもきょとんとした顔をしている。何が起こってるのかが、分からない。それでもアーダインは兵士たちに攻撃命令を出し、矢や砲弾、剣を振るう者まででてきてしまった。
それを見たshethのみんなはその放たれる攻撃を必死で止めている。

メロディ「・・・もう、無理・・・。帰ること、できない・・・。空間が、ねじれているから・・・・。」
神無「そういうことだ。私たちはあんたたちを探してここまで来たんだ。」
ガンマ「そうだ。姫様が危険にさらされているとメロディが予知夢で感じ取った。だからここにいるんだ。」
死神「俺たちだって暴れてぇんだよ、アイリス。姫を連れてこっちに戻って来な!」
アイリス「・・・なんで、こんなことになるのよ・・・・、結局逆戻り・・・、リリを幸せにしたかったのに・・・・!」

お姉ちゃんは泣いていた。私を幸せにしたくて、今までいろいろ我慢してきたんだね・・・・。
ごめんなさい・・・、無力で、ごめんなさい・・・・。

お姉ちゃんは首に手をかざす。一緒にいたときから気になっていた、その五芒星が描かれた紋章に手をあてて

アイリス「・・・・ローツェ。ラピスの名の下に・・・・ディア・サクロス・バリキュラ・・・・」

呪文らしきものを言い放つ。するとお姉ちゃんの足元に巨大な魔法陣が描かれた。
黒い霧がお姉ちゃんを包み込んでいく。その中でお姉ちゃんは悲しい瞳で私を見つめる。
その瞳がだんだん赤く光って、吸血鬼のような鋭い目つきになっていく。
魔法陣が消え、赤く光っていた瞳が元のダークバイオレットに戻った時、

アイリス「・・・・リリ。おいで、行こう・・・・。」

優しい瞳で見つめながら、手を私に差し伸べる。私は静かにその手を取って、その場に立ち上がる。
お姉ちゃんは私をお姫様抱っこで抱き上げ、そのままものすごい速度で兵士たちの攻撃を避けながら、黒いローブを着た人たちに話しかける。

アイリス「・・・何してるの。案内しなさい、場所知らないわよ、私は・・・・。」
ミシェラ「・・・やっぱあんたはその瞳だねぇ。分かってくれればそれでいいんだ。」

この時私はお姉ちゃんが別の存在になってしまったと・・・・、心の中で思っていた。

私の居場所は、一体どこにあるの・・・・?いつになったら苦しまなくて済むの・・・・?

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